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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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恥ずかしい称号?

 訓練は淡々と続く。



 昼食のあとにやっと、メガネを掛けた人と話した。

 歳は少しだけ上かも。

 目立たない感じ、似た者同士か。


「そうそう、あれって多分見えてないよね!

 おかげであんな恥ずかしい称号言わせられて……」


 恥ずかしい称号ってなんだろう?

『元ひきこもり』とかか?


「でも、もし能力に関係するなら調べるのは仕方ないでしょうね。

 騙されたのは腹が立つけど、それしか方法が無いし」


「3週間位訓練してるけど、全く変わらずなんだけどなあ」


 この人3週間もやってたのか。

 普通に通勤してるらしいけど。





 訓練では初日のような林教官のスパルタは無かった。

 さすがにああいうのは急ぎ過ぎということか。


 模擬戦とかすれば、剣関係のスキルが生えてくるような気もするけど。

 とにかく、表面上は何もなかったってことで。





 3日、4日と過ぎるが、何も起こらない。


 ああ、7日間に限っては休みもないらしい。

 まあ法律だから仕方ない。

 規定通りにしないと本当に危険人物が出たときに大変なことになりかねない。


 他の人は土日に限らず交代で2日休みを取っている。





 ついに7日目。


 残念というか、ほっとしたというか。

 あれから全くスキルは生えていない。


 林教官の“手加減”っぽいものを感じる。

 考えすぎだろうか?



 やっと家に帰れるらしいが、その前に……。

 最初に3人で話した会議室でお話がある。






「7日間ご苦労であった」

「お疲れさまでした」


「あっいえ、とりあえずお世話になりました」


「早速休み明けに配属なんだけど、タイミングが悪かったのね」


 え? えっ? ええええええ!



「スケジュール通りだから私達はなんとも思って無くて。

 言い忘れててごめんなさいね。

 2日休みのあとが、ちょうど月イチの新人配置だから。

 ダンジョンでレベル上げできますよ、よかったですね」


 北村さんが一気に話した。

 配属を言い忘れてたことをごまかそうとかして、無いよね?



 林教官が真剣に話し出す。

「実を言うと様々な形でここに留まる者もいる。

 そちらに入れたかったが……。

 上の意向だ」


「称号の件、ですよね?」


「おそらくな。

 私としては君のステータスでダンジョンに行って欲しくはない。

 意味がわかるか?」


 知ってる。

 海外では結構ステやスキルの論議が盛んだ。

 翻訳本『冒険者入門書』の知識を始めとして、傾向は知っている。


「はい、初期値が低すぎますよね。

 体力、強さ、丈夫さが7っていうのはレベル1でも低すぎます」


「そうだ、初期値はその後の増加量に大きく影響する。

 最初に少なくとも10無ければどんなにレベルが上っても……

 いや、上がれば上がるほど不利になっていく」


 分かっているのにどうして?


「私達は事務職を強く推したんだが。

【突き】の出現状況と、『称号』の特殊さに目をつけられた」


「林教官はね、敢えて君が平穏で訓練を終えるようにしてたの。

 あの事、話していいかしら?」


 林教官はどこか一点を見つめ、ようやく口を開く。


「ああ、北村が話したいならな」

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