合宿
4/16(土)4回目更新です。
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「入るよ―。ヨウさんも一緒」
「いいよー。あ、どうぞ!」
404の病室に入る。
そういや聞き忘れたが、いつまで入院するのだろうか。
『アレ』使ったとしたら、とっくに治ってるはず。
いや、メイさんや病院の都合なので聞かないでおこう。
『影』のような変な気配はない。
あ、こっそり聞こう。
(いつまで入院するの?)
(担当の先生がいいタイミングでって言ってたけど。多分もうすぐ)
「おねえちゃん何すまし顔してんの?」
「何が?」
「いつもヨウさんのことばっかり嬉しそうに話してるくせにー」
「ちょ、めい……」
口に人差し指を当てるユイさん。
見えてるって。
「わたしダシにしてデートしてるんでしょ?
……。
てか、ヨウさんって気づいてなかったりしたりして?」
どう答えればいいだろう。
『念話関係』結婚のことも聞いたから、意識しまくりなんだけど。
今日も抱かれたし。
いかん、思考がおかしい。
「めい、ヨウさんまでからかっちゃダメでしょ」
「別にからかってるわけじゃ……。
思った通り言っただけで……ごめん、おねえちゃん」
微妙な流れになったが、だたの普通の姉妹の会話だ。
気にせずごまかそう。
「ああ、なんか持ってくれば良かったかな」
「そんな、気にしなくていいよ」
「はい、だいじょうぶですから。
かえって気を遣うんでそういうのは無しで」
まともに話せばすごく良く出来た子みたいだ、メイさんって。
(よくできた子だね)
(まあ、人前じゃあね)
(どこもそんなもんだよね、多分)
車を置いたまま病院を出て繁華街へ。
コーヒーとケーキの美味しい店があるらしくて、手を引いて連れられた。
非常時に備えての制服退勤だけど、ちょっと目立つかな。
ペアルック(?)だし。
そういや以前、制服隊員がスーパーで買い物してるの見たな。
別に違和感はなかった。
初期の初期には、苦情とかもあったらしい。
色んなメディアで “行きも帰りもみんなを守る討伐隊員” って宣伝して今は普通になってる。
『アフれ』で多くの人が家を壊されたり怖い思いをしてるし。
コーヒーはいつもブラックだけど、以前甘いケーキと一緒に飲んだことがあった。
その時の絶妙な甘味と苦味のハーモニーは絶品だった。
コーヒーの苦味まで計算されてるような。
特に見られたりもせず、窓際が空いてたのでそこに座る。
ケーキとコーヒーセットがある。
やはり頼むならこれかな。
やけにユイさんは静かだ。
念話でお勧めとか教えてくれそうなもんだけど。
「このセットでお願いします」
「わ、わたしも同じで」
「ねえ、あの、合宿とか大丈夫?」
ユイさんが幹事、っていうか手配してるのか。
「うん、特に予定は無いし行くよ」
「じゃあ、決定ね!
あとでうちに寄って。
荷物とかまとめてあるから」
僕の車に同乗するのか?
「じゃあ、ヨウの家で合宿決定ということで。
よろしくお願いします!」
パーティー全員が僕のアパートに?
違う。
これはやられたかも。
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