表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
49/175

10階層

 オーガを一匹づつ確実に倒していく。



 目と両足を潰すのでかなり速く進めたようだ。

 初めて最奥部に着いた。


 下層、10層への階段がある。



 全員背後に警戒しつつ、リーダーが告げる。


「まず一匹を火魔法で釣り、素早くヨウの目潰し。

 その間もう一匹は従来どおり。

 足もその順で止め、トドメだ。

 行くぞ」


 10層から2匹、奥では3匹いることもある。

 ボスはキャプテンクラスかそれ以上強いらしい。

 ボス部屋にいるので出ては来ないが。


 作戦のあらましはもう既に聞いていた。

 僕が来るまでどうしていたかまでは聞き損ねたが。



 リーダーから順に、様子を見つつ階段を降りる。

 階段の真ん中まではその階の魔物が入れる。

 安全地帯ではないので、一応警戒する。


 初めての10層だ、緊張する。

 層全部が普通のオーガだ、リーダーにうなずく。



 一見全く今までと変わらない。


 来た、2匹。


 先頭の方にアローが飛ぶ。


 突然の時は合図として魔法名を言うが、不要な時は言わない。

 魔法初心者は違うらしいが。


 オーガの正面に立つ、相手の速度を利用する。

 タイミングを合わせて突く。


 こんなとんでもないことを初心者に頼んだのか。

 呆れると同時にリーダーの信頼が嬉しかったり。


 なにせ【回避】+【超回避】もある。


【超回避】は使ったことが無くてどんなか知らないけど……。


 相手を飛ばし、千切るオーガに目だけへの攻撃は予想外だろう。


 よしいけた、両目!



 だが、オーガの勢いは止まらない。

 当然避ける、相手は目が見えないので余裕。


 だが。

 ヘイト先はユイさんだ!


 ユイさんが避けるのを【思考加速】で見ている。


 ここは!……

 いやまだ間に合う。


 ユイさんが見えたときからとっくに走っていた。


 オーガすれすれにユイさんに届いた。

 ユイさんを僕の体で押し出す。


 僕の肩あたりにオーガが振り回す手が落ちてくる。

 子供がヤケになって手を振り回す動きのオーガ版だ。


 視界がブレた。

 手はいつの間に、僕から離れた所に振り降ろされた。


 2人はオーガのいない方に倒れ込んでいた。


「セイッ」

 ヤスだ。

 壁に止められたオーガが上下に分かれた。


 僕の下にはユイさん。


 盾で止められたもう一匹をリーダーがまだ斬りつけている。


 ユイさんの顔が近い、真っ赤だ。

 僕も異常に暑い。


「ヤス!」

 リーダーの号令でヤスが突っ込む。


「セヤッ」


 毎回掛け声が違うような。


 それにしても柔らかい。


 変な所は触ってない、ユイさんは全部柔らかい。

 前部の鎧同士が当たるが、抱いているので柔らかい。


 いや、がっちりホールドされている。

 抱かれているのは僕だ。


「大丈夫? 痛くない?」

「うん。あせって逃げるの遅れてしまって」


 かわいい。


 オーガは倒したから大丈夫だ。

 ホールドを解除しながらゆっくり起きればいい。



「作戦は組み直す。

 ここで寝ていたい者は勝手に残れ」


 みんなが上に帰っていく。


 器用さ171でホールドを解く。

 仕方なく起きて付いていく。

お読み頂きありがとうございます。

もしよろしければ、この下の★★★★★(クリック)評価とブックマークをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ