不思議称号
※第8話「ラッキーパンチ」で、設定を「非常時に備えての制服出勤・退勤」としています。(4/15 20:10)
称号についてユイさんとこっそり話した。
といっても、自分のスキルへの謎効果しか解ってないけど。
まあ、それをそのまま。
スキルに関しては、僕自身既に混乱しているくらいだ。
全部読み上げるわけにもいかない。
なので具体的なスキルについては、今日出た分だけとりあえず。
(やってみたら剣が抜けてびっくりだった)
(あはは! 笑うほどべんり、いいなー)
(【抜刀】は特に不思議スキルだから。他は普通だよ)
(ふつう、ねー……)
はたと思う。
今日の【抜刀】含め、いつも見ているメンバーはどうなんだろう。
まあ【加速】の件もあるし、ツッコめないよなあ……。
まだまだ話したいけど出発だ。
下層に降りるとすぐにリーダーがこちらを見る。
小さくうなずく。
キャプテンやおかしな個体はこの階にはいない。
(今リーダーと目が合ってなかった?)
ちょ、ヤキモチ?
(いい感知があるんで、キャプテンとか居ないかの確認ね)
(なる、秘密スキルね!)
確かにそうだ。
「ヨウは昨日と同じく、無理せず体力温存で」
「はい」
最初の課題は、この長くて重めの剣で、正確に目を突けるかだ。
走ってきたオーガにゴウが盾でぶつかる。
ヤスが引き寄せ、それを盾が抑える。
オーガの横へ回り込むリーダー。
同時に僕も【隠密2】を使いつつ間合いへ入り……。
ほぼ無意識に突いていた。
【間合】のおかげで突くタイミングが正確にわかった。
成功だ。
そして、僕もオーガ横へ回り込む。
ふと思った、なまじ振るより突いたほうがいいんじゃ。
同じ場所を何度も突ければ「斬り」よりもダメージは増す。
正確に同じ場所を突けるか。
それができても皮膚を貫けるかはわからないが。
ともかくやってみよう。
引いて溜めを作り、突く。
カカト辺り、くるぶしの骨か何かで膨れた場所の下。
同じ場所をまた突く。
【総合剣技3】のサポートで正確さが増す。
突く。
通った!
こちら側に力がかかっていたようで、オーガはよろめく。
「ヤス!」
「せやっ」
オーガは倒れていて、その首だけをヤスが斬った。
剣が地面に叩きつけられるかと思ったが、それは無かった。
「強さだけはあるからな、剣の振りを止めるのも得意だ。
それに止まってる相手だったら無敵よ。
あはははは、はぁ……」
さすがに笑うのは虚しいと思ったらしい。
吹き出しそうになって顔を背けた。
全員同じことをしてるような……。
ヤスの自業自得だな。
しかし、初めてオーガに剣が通った!
ヤスに主役を奪われ、忘れられたが。
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