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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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様々な進展

 極々一瞬の『溜め』のあとゴブリンの首を飛ばす。

 溜めているとは見えないかも。


(凄いと思うよ、短期間で)


 僕の【思考加速】を知らないはずだが、ユイさんだ。

 よほど余裕に見えるのかな。

 1回1回、結構集中が要るんだけど。


(ありがとう)



 複数ゴブはもっと大変だ。


 しかし、タイミングは掴んだ。

 慣れきって油断しないよう、一匹一匹集中する。


【スキル理解】によるコントロールも大きい。

 絶妙にヘイトと感知を使ってゴブの動きを操っている。


 他に分かったことがある。

 レベルのないスキルでも、慣れや馴染みとともに技能向上があるということ。

 数字には出ないが、上手くなっているのが分かる。




 巨大蛇・昆虫フロアでは、剣士3人で行く。

 毒があったり動きが速いが、僕には問題ない敵らしい。


 とにかく早く倒せばいいから、と言われた。


 魔法を使わないのは、必要なときに取っておくためらしい。

 技術向上はもう散々やっているそう。

 重要なのは、いかに温存し必要なときに使うか。


 魔法士ってややこしそうだ。

 僕も魔法剣士のはずだけど……。




 オークもまずは序盤を任せられる。


 溜めたまま避け、隙ができたら首を切る。

 二重の意味で溜めが要るから疲れる。



 数匹倒すとリーダーに言われた。


「その速さなら横にも後ろにも回り込めるのでは?」


 確かにそのとおりだが、横はともかく、背後は……。


「後ろからだと届きません」

「試したか?」

「いえ」


「じゃあ、やってみれば分かる」


 相変わらずダンジョンでのリーダーは別人のようだ。


 というか、長身の彼女には簡単でも、僕には……。

 まず、試してからか。



 横からだと腕が邪魔になりにくい。

 タイミングはいくらでもあった。

 軽く跳ねつつ、少し斜めに首をはねる。

 うん、確かに楽になった。




 まだ一匹のうちに後ろに回り込んでみる。

 オークは遅いし、隙だらけではあるが。


 跳んで剣を振る。

 オークは攻撃のために前かがみ、届かないと言ったのはそのせいだ。

 ギリギリ無理か。


 オークは倒れてすぐに消えた。


 ああ、延髄に当たる部分が斬れればいいのか。


 これなら、もしかして複数匹でも行ける?



 そして、軽く跳ねているつもりだが相当に「飛んで」いることに今更気づく。

 強さ37でも、器用や敏捷があるからだろう。

 今更だ、早く気づけ自分。



 暇そうな盾のゴウを視界の隅で見ながら、数匹のオークにチャレンジ。


 昨日より相当楽だ。


 剣を引いて溜めつつ走るのは同じ。

 だが、オークの動きを必死で見てはいない。


 移動し、オークの横へ回り、斬る。

 避けるというより移動の間に溜め、こちらから斬る。

 取り残された1匹を背後から斬る。


 いわゆる『ゾーン』、高度の集中に入っていたのかも。

 今のは。



 そのまま僕に全員が付いてくる形だ。


『魔力149』のレベルで『強さ37』。


 誰が信じるだろうか。


 といっても、ここオークまでの快進撃だが……。



「よし、昼だ」

 わざわざ言うこともないと思うが、号令のようなものか。


(昨日より強くなってない?)


(いや、リーダーのアドバイスのおかげ)


 クーラーボックスを取り出しながらユイさんとこっそり話す。

お読み頂きありがとうございます。

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