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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
34/175

『バカの一つ覚え』

 続けてオークを狩る。


 一見普通に戦っているように見えるかも。

 実際は、集中で疲労困憊だ。


 剣を【溜め】のために十分引く、武器なしでオークの前にいるようなものだ。

 避けながら、首が空くのを待つ。

 腕に引っかかってしまうと斬れない可能性が高い。


 高さを見極めつつ、必要なら跳び、一気に力を開放する。

 ぎりぎりかもしれない。


 僕の素の“強さ”は他ステの四分の一程度。

 十分な【溜め】でその2倍、普通の隊員にやっと届くだろうか。

 それに【総合剣技2】によるアシストと実際の溜めが加わる。

 それでぎりぎり。


 この先成長すればするほどその差は大きくなるだろう。

 考えると嫌になる。

 だが今は、限界まで集中するしか無い。



 少しずつ奥へ進む。

 数匹いても、盾と2人の剣がいるので獲物を分けてもらっている感じ。



 階段前に着いた。

 やっと昼休憩。


 今日も荷物持ちを引き受けた。

 全く支障ないからと。


 実際【加速】では無視できる魔力誤差だ。

 こちらは141もある。


 収納を開くのに1、アイテムボックスから移動。

 配るのに時間はかからない。

 そのまま収納経由でこっそり仕舞えば終わり。



 サンドイッチとコーヒーを味わう。



「ヨウ、さっきの事を考えたよ。

 少し待ち時間もあったし」


 ゴウから切り出した。

 さっき、ついつい言ってしまったことか。

『盾で殴るバカの一つ覚え』。

 今更だけど、我ながら子供じみた発言だった。


「ヨウが怒っていたのは分かった。

 なんとなくだが、自分自身をもう一度振り返るべきじゃないかって思ってる。

 もうちょっと時間が欲しい。

 妹とも話してみる」


 分かったような分からないような。

 お互い様だけど。


「いえ、僕もついつい……」


「ヤスはトドメ担当でレベルが凄いはずだしな。

 そういう()()()()もあったかもしれん」


「『人の振り見て我が振り直せ』かなー?

 いや、言ってみただけで。

 ゴメンあにい」



 ユイさんはずっと無言、何か考えてる?



「俺たちは本当にラッキーだ。

 リーダーは本当はBランクにいるべき人だからな。

 仲間たちのためにCに留まっているが」


「突然どうした?

 何も出ないぞ。

 本当も何も、Cランクが好きなだけだ」


 ゴウは何か伝えたいのか、ただ間をもたせたかったのか。

 別にどっちでもいいけど。



 あ、しまった。

 ゴミを仕舞うのにもう一度収納が必要だった。




 9層へ進む。


【生命感知】を思い出して探る。


 全て普通のオーガだ。



 いつもの連携でオーガを翻弄する。

 僕は中~後衛で魔法士2人のガードだ。


 投石以外に役目があって嬉しい。


 魔法2人は何か小声で詠唱している。

 魔法方面も色々深そうだ。

 そろそろ僕も始めるべきかもしれない。


【加速】用の魔力は使ったらマズいか……。

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