表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
33/175

溜め

 オークを斬ってみる……。


 ゴブリンエリアは普通にリーダー先導で走り抜けた。

 ジョブ獲得からレベルは3倍以上、既に問題ない、のかも。


 というか、あえてオークにしたんだろうなと思う。

 おそらく一発では斬れない。


 どうなるか、どうするか。


 パワーが弱々以外は十分成長した。

 おそらく対オーク程度までは。



「ここで待って湧いたら、まずは一匹で」


「はい!」



 2匹、湧いたというより奥から来た。

 1匹はリーダーが躱して背後から首切断。


 それに気づかないのか、もう1匹が向かってくる。


 ノロい。

 でかいから(のろ)く見えるのかも。

 軽く2メーター50くらいはある。


 リーダとヤスはどう斬ってたっけ?

 届くの?


 下に向けて攻撃してくるから届くには届いた。

 首に刃を滑らせる。

 やはり半分も斬れないか。


 こいつらは武器は無い、腕の振りは無意識に避けていた。

 腕に思い切り振り下ろす。


 血を噴くが斬れない、反対の腕に振り上げる。


 気づいた。

 こいつの動きなら『突き』が使える。

 胸の中央左寄りに思い切り刺す。

 蹴飛ばして剣を抜く。


 数秒後、倒れて消えた。


「もう一度ね」



 まず、前と同じ。

 今度は少し跳ね、脳天に突き刺して蹴った。

 すぐに倒れる。



「少しずつ効率が良くなるみたいね。

 問題はないけど……。

 ヤス、何かある?」


「そもそも俺とは違いすぎるが……。

 間違ってたら悪い。

 溜めがまるで無いな、そういう剣技なんだろうが」


 言うことは分かる、刺せる余裕があるなら溜めだって作れるはず。


「ヤスも溜めてるようには見えないけど?」


「いや、感覚的にはオークにだって溜めてる。

 じゃないとスパッといかねぇんだ」


「斬る前から滑らせることを意識してるみたいね。

 刃が止まっては動けず危ない、それはそう」


 確かにリーダーとヤスの言葉は当たってる。

 ヤスが意外にも分かりやすい。



 次のオークが近づいてる。

 試しに【生命感知】を広げるとフロア全ての敵が分かる。

 そういや上位スキルだった……今はそこじゃないな。


 一匹だ、リーダーが避ける。

 気配を消すスキルがあるのかも、オークが普通に来る。



 まず首、溜めを意識して、振る。

 振り切ってから滑らせる。


 肉と血管しか斬れていない。


 躱しつつ、剣を引く。

 引いていた剣を一気に腕へ振り下ろす。


   【溜め】


 斬れたが……。


 スキルが甘やかしてくれた。

 あんたは母親か!


 剣を引いたまま腕を避け、跳ねる。

【溜め】が強く光る。

 強さ38が2倍の76だ。


 首が飛んだ。



「すげえ、本当に『溜め』をモノにしやがった!」


 強さ76程度では首は飛ばない気もする。

 確かに、スキルだけじゃなく十分に溜める動きがあったからだろう。


 複雑だが、【溜め】は心から欲しかったスキルだ。

お読み頂きありがとうございます。

もしよろしければ、この下の★★★★★(クリック)評価とブックマークをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ