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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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オーガ

「“バカの一つ覚え”ってやつだ」

 オークを縦に両断したヤスさんが走りながら言った。


 そのあともたまに来るオークの首を普通に落とす。

 最初のは()()()か。

 気合を入れるためだったのかもしれない。




 8層が終わりのようだ。

 下へ降りる階段の前で全員腰を下ろす。


 言っていないが、レベルが2つ上がっていた。

 相当の魔物を倒したが、戦闘に加わらなければダメなようだ。

 いや、2レベルも上がっているけど。



「ここにもオークは出るが、この下9層からオーガになる。

 10層ボスを倒さないと安全地帯にはたどり着けない。

 よって、ここで昼食だ」


 パワーレベリング要員、というかお世話になる身。

 当然荷物持ちは僕だ。

【収納】から、青いクーラーボックスを取り出す。




 僕の【収納】について誰も指摘しない。

 剣の技についても、現代社会で修行しているはずもない。

 スキル関係のはずだが知らないフリをしてくれる。


 割と古い書籍でもこのマナーには触れている。

 他人の能力に触れるのはあらゆるトラブルに繋がるらしい。

 海外の冒険者のみならず、日本の討伐隊員も同じよう。


 個人の資質や運の格差が大きすぎるからだ。


『世界はラノベになった』

 ネットでよく使われる言葉だ。



「オーガには注意してください。

 レベルが上ってないと、ぶつかっただけで体が千切れます。

 あっ、余計なことを、心配だったんで!」


「ゲホッゲホッ」


 かわいくて見とれて、コーヒーが喉に入っただけだ。

 心配させたようだ。

 ユイさんかわいい。


 何が千切れるんだっけ?

 かわいいからいいけどね。



「盾と剣2人で抑えられるから心配不要。

 後列は魔法2人の間にヨウが入れ。

 上位種以外は問題ない」


 リーダーの唯我さんの口調はまるで別人だ。

 命に関わるから、本気の攻略では切り替わってしまうのだろう。


「ポイントは石ですよ。

 オーガ一匹ずつに当ててくださいね」


 あ、ひらタンいたのか。


「攻撃参加すればトドメ以外は人数割で経験が入ります。

 今までのももったいないけど、時間がないですから。

 ここからは時間がかかるのでしっかり稼ぎましょう」





 本来は投石は『経験値泥棒』などと嫌われる行為。

 でも今回はパワーレベリング。


 これでしっかりレベルを上げておかないと、全員が辛くなる。



 一匹なら余裕っぽかった。


 盾が素早くオーガにぶつかって弾き、止める。

 リーダーが斬りつける。


 首は飛ばない。

 僕がゴブリンやウルフと戦うのと似てる!


 オーガはヤスさんの方に向かって行ってる。

【ヘイト】だろう。

 連携プレイだ。


 この間に石をぶつける。



「よしいける、ヤス!」


 足が傷だらけのオーガ。

 腱を斬ったのだろう。


 ふらつくオーガにヤスさんの斬撃が。

 首だけでなく、袈裟斬り、つまり体を斜めに斬った。

 リーダーも斬れなかったのに凄い!


 いや、ヤスさんってもしかしたら……。



 瞬間、強烈なめまいが襲った。

 首を振って耐える。


「おめでとうです、初のレベルアップ酔いですねー」


 レベル39、20+2+17か。

 17レベル……。


 オーガ凄い。

お読み頂きありがとうございます。

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