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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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検証

 基地に戻った。


 2日間の休みの前に固有スキルのことは確認しておこう。


 なるほど、林教官にも見えてない。

【アイテムボックス】も、とりあえずは大丈夫。


 ただ、ダンジョンを出て少しの間、隠蔽していなかった。

 誰かに見られていないだろうか。

 今日の守衛担当隊員については唯我(ゆいが)さんが調べておくそうだ。




「うまいラーメンは毎日食っても飽きない」なんて聞いたことがあるが。

 僕は食べたくなるまで待つ。

 そのタイミングで、最高の旨さを味わう派だから。


 というか、まだ食うには時間が早すぎる。

 よって、今日はコンビニ飯だ。


 待てよ、【アイテムボックス】で出来たてのラーメンを持ち帰れないか?

 ・人前で見せられない

 ・時間停止検証がまだだった

 ・ドンブリの持ち帰りが大丈夫か

 やめとこう。


 よく考えれば、出前でいいのか。

 ラーメンとか麺系の出前は好きじゃないので無しだけど。


 コンビニグルメを極めよう……。





 帰宅して一通りこなしたら、早速実験だ。


 何かが引っかかる、なんだろう?

 まあいい。


【アイテムボックス】、名前長すぎ。

【ボックス】でいいな。


 実を言うと、収納の方もちゃんと分かっていない。

 比較しながらやってみよう。

 熱いお湯を2つのコップに注ぐ。

 こぼさないよう気をつけ、まず【収納】に入れる。


【ボックス】の入リ口はどこ?

 意識していると入った。


 (はた)から見ると消えたと思うだろう。

 なるほど、こういう感じか。

 床に転がってる封書とかコミックを拾って……。


 拾う前に入った!


 手当たり次第に一気に入れていく。

 部屋がキレイに片付いた!


 …………そんなわけないよな。


 恐る恐る意識を向けると……。

 種類別にリスト化されてる。

 パソコンのファイルのツリーみたいに。

 書類は大まかな内容別だけど、分け方は変えられる。


 コミックを一冊手元に出す。


 あ、床から入れられたんだから床に戻せるよな。

 書類全部、積み重なって出た。

 仕舞ってもう一度、種類別に山が分かれて出る。


 これって、そのまま入れておいて大丈夫だな。

 ただ入れたことを忘れさえしなければ。


 おそらく射程距離はあるはずだけど。


 これは片付けには便利すぎる、人に使わせたとしても有用だ。

 何者か、権力者?が欲しがるわけだ。


 ちょっと違うような気もしないでもないが、まあいい。



 あっ、さっきのお湯を取り出してみよう。

 収納のは結構ぬるくなっていた。


【ボックス】から【収納】中継で出してみよう。

 言われていた隠蔽方法だ。


 まず収納に手を入れる。

 そこに【ボックス】からコップを取り出して……。


 アッチチ!

 揺らしまくってしまい、手と袖にかかった。

 別にお湯で試さなくて良かったのに。


 ん?

  【熱耐性】【体力回復】

 こういうタイミングでは久々だ。


 手はすぐに水で冷やした。

 赤くなってヒリヒリするが、後で水ぶくれになったりする程度か。


 赤くなったヒリヒリが消えていく。

【体力回復】イコール傷の治りか。

 体力は1だけ減ってたみたいだ。

 どのくらいまで治るか、スキルレベルが上がるのか、だな。




 帰ってからずっと引っかかっていた何か。


 これか。

 改めて感覚を集中、【索敵】だ。

 敵かどうかはっきりしないから気づかなかったんだと思う。

 だが明らかに怪しい雰囲気。

 部屋の外だ。

 本格的にヤバいかも。


 アパートのお隣との境目辺りに男。

 なにかつぶやいているが……。


 また出た、【盗聴】か。

 人聞きの悪い……。


「クソ、マイコ、マイコ、俺のマイコ」


 お隣さんの下の名が『麻衣子』さんだったな。

 ストーカーさんか。


 お隣には悪いけどほっとした。

 とりあえず様子見。

お読み頂きありがとうございます。

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