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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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研修、3日目

「ポイズンウルフは名前の通り牙に毒があります。

 爪は普通に尖っていますが、問題ないはずです。

 ポイントは腕じゃなく、足です」


 2層を普通に進んでいく。


 出た。

 狼っぽい魔物、ポイズンウルフ2匹。

 一匹は次の瞬間首が飛んだ、唯我さんだ。


 唯我さんと僕に挟まれた残り一匹は、当然僕へ。


 飛びかかってくるが、空中なら直線的で単調。

 ゆっくりで躱せた、思考加速が効いているかも。

 足は斬り落とせなかった、でも腱や筋肉が切れたよう。

 もう問題ないが、ミスったことに気づく。


 初撃で首筋を切れたはず、足は返す刀で行けてた。


 背後側から後頭部に突き刺すと絶命した。


「次は初撃で首と足を斬れます、大丈夫です」


「分かってるようね……トドメの突きも正解です。

 一気に行きましょう、進みますよ」



 ウルフ2匹だが、いきなり援護なしだった。

 色々試されてるようだ。


 首と足をそれぞれ斬りつけ、問題なし。

 突進の結果、背後を見せるのでトドメが刺しやすい。



 そのまま進んでいく。

 ゴブとウルフの混成も現れるようになったが問題なし。


 5~6匹とか、初日には考えられない集団と次々戦っていく。

 物理弱々なのに。


 その分血まみれだ。


 ウルフがレベル上げに向いているらしく、4レベルも上がった。

 これだけ倒せば当然か。


 無用の長物、ひらタンはちゃんと最後尾にいる。

 あっごめん、【清浄】いつもありがとう……。


「さて、早いお昼と発表会ですね。

 戻りましょう」


 昨日よりも速く入り口まで走っていく。





 ツナマヨサンドを頬張っている。


「あの、あれだけ倒したのにアイテムが出ないというのは。

 そういうダンジョンなんです?」


「あえて気づくまで放っておいたのですけど。

 あなたが通常のダンジョンが初めてって事を失念してましてね。

 一度平田さんに頼んで偽装しましたが、気づいて良かったです。

 誰にも言ってませんね?」


「はい、そういうダンジョンだと思ってたんで」


 唯我さんが声を抑えて答えてくれる。


「アイテムは私の固有スキルで回収してます。

 上は知ってますが、他の隊員には絶対に漏らさないように。

 極秘事項です」



 隠さず堂々と使ってたという事は、嘘ではないはず。

 万が一バレても大きな支障はないのだろう。

 もちろん誰にも言わないが。


「極秘って、唯我さんは隠蔽を……。

 あっごめんなさい」


【鑑定】で見られたら『極秘』と言ってもバレバレなんじゃないか。

 そう思ってつい聞いてしまった。

 スキルについて聞くのは本人が開示しない限りマナー違反。

 僕の場合は特殊、それでも必要以上は訊かれないし。



「ん?

 固有スキルは鑑定で見れませんよ。

 称号みたいなものだと言われてますね」


 なんと。

『固有スキル』の項目名含め、必死で隠蔽掛けてた。

 説明文が出る仕様もそう聞けばなるほどだ。


 今度こっそり林教官で確認しよう。

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