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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
175/175

説得

※一昨日6/17 05:00に続く更新です。

 おまたせしました。

 切々と語ることになってしまった。



 一応、今まで作った草案を見てくれと言われ、読んだ。


『書かれている内容』のみに意識を集中。

 ページをめくった後も前の内容を少し考えたり。

【多重思考】も働いてるような。


 15分ほどで把握した。

 ダメだ。



 井上さんが作っているものは。


 まず、探索者制度が普通に成立してしまう前提。

 それに合わせて現行法をどう修正するかという物だった。


 それだけの単純なもの。

 もちろん制度変更等は細かく書かれてはいるが。




 意見交換程度と予想していたが。

 前提条件から考え直してもらうべきと悟る。



 まずはレベルアップでの身体能力向上について。

 うんうんとうなずく、解っているようだが……。


 それが社会にどんなインパクトをもたらすか。

 まず、最初は大げさなくらいに話す。


 犯罪に利用されないか。

 確かに日本では可能性は低いかもしれない。

 だが、米国の警察指導による対策は彼も知っているはず。



 本番はここからだ。


 一般人、世論の反感。

 与党内部からの懸念。

 野党からの徹底的な危険視と紛糾。


 どのようなことが起こるか次々列挙。



 ではどうするべきか。

 一例だと断った上で。


 とにかく目立たなくする。


 スライムからゴブリンを倒せるまでは育成。

 そして徹底して守秘義務を課す。

 あとは基礎体力と練度向上のみに専念させる。


 そうして、とにかく人数を増やす。

 自衛隊の探索者が教官となり、命令する。

 仮の自衛官のような形でもいい。


 その内野党など、レベルのことを知った反対勢力が出てくる。

 絶対に。


 魔物が溢れ出すまでに、どれだけ多くの地域に人数を増やすか。

 平穏無事に、秘密を保ちつつ。

 まずはそこまでが勝負。



 本番は、魔物の溢れが起こってから。

 そうなれば、良くも悪くも世の中すべての流れが変わる。

 それまでいかに波風を立てず探索者を法制化し既成事実にできるか。


 そこまでが、今回の法案を作るための根底の発想だ。

 それに集中しなければならない。



 うまく説明できたか不安だが。


 1時間半も語ってしまったから大筋は解ってもらえたはず。

 実際はもっと細かい懸念も話したからな。


 井上さんもただの異世界マニアではない。

 元総理を巻き込んでしまう程の実行力の持ち主。


 少くとも話は理解してもらえたはず。



 実際の草案作成は任せることになる。

 月曜にはできているという話だが。


 土日も文書作成に格闘することになるんだろうな……。


『アフれ』まで、もう3ヶ月ちょっとしか残っていない。

 1ヶ月以内に決めてしまえればいいが……。


 まあ、任せないと。





 帰りもタクシー。


 別にタクシーでもいい気もしているけど。

 緊急時に困るだろうな。


 2輪を考える前に、とりあえずのEVでいいのかも。

 諸経費込み、たった500万とちょっとだし。


 小市民には日本のメーカーで買うという選択肢は無い。




 8時にはならずに帰れた。

 少し遅いが、全員でファミレスへ。


 車の事を生見さんに言う。

 明日、みんなでディーラーに行くことになった。


 ユイが車の代金半分出そうかと言ったが。

 たった500万程度だからな……。

 断ったらむくれてた。







 土曜の時間つぶしも見つかった。

 北村ハルさんはまだ筋肉痛だろうな。


 とりあえず平和だ。



 さて、加速しつつ寝るか……。


【加速】。






 あれ? ここはどこ?


 ほんわりと暖かい、南の島?

 いや、山の上か。

 眼下に雲海が見える。


 天国?

 気絶しすぎての突然死とか。


 例によって……

 思い切りほっぺをつねると痛い。

 現実?



「うまく行ったのう。

 いらっしゃい」


 魔法士らしいおじいさんがいた。

 杖を持っているが、ユイの前のを大きくしたような。

 姿勢がいいので魔法の杖だと直感的に思った。


 白髪、白ひげ、ふわっとした服も真っ白。

 サンタクロースでもないな。


 この衣装、古代ギリシャのような?

 多分そんな感じだ。

 もしかしたら神様とか?


 それにしては会うタイミングが遅くないか?


 死んでないし。

 多分。

お読み頂きありがとうございます。

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