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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
173/175

ハル

※昨日6/15 02:35に続く更新です。

 北村さんはこのマンションに住むそう。

 そりゃそうだろう。


 引越し費用とかどうしようと言ってたが……。


 行き帰りが不安なので今日は生見さんの部屋に泊まるそう。



 ちょっと「自衛隊 懲戒免職」でネット検索。

 怖いことばかり書いてあった。

 退職金なし、次の就職も困難、等々。


 だから異議申し立てとか色々あるらしいが。

 それらを放棄して来たのは分からないでもないが。

 相手が相手だしな。


 まあ協会に入れたので結果オーライだろう。

 彼女が()()()()()のは正解だ。


 契約金(年俸?)はどうなるのだろう。


 北村さんの反応を想像してちょっとニヤけてしまう。

 なにせ『功労者』だから。








 朝はゆっくり出発。


 まずは北村さんのジャージ購入。

 全員からのプレゼントということにする。


 白を選んだ。

 ユイがピンク、僕は青、ヨッシーはオレンジ。

 分かりやすくていい。

 多分これ以上人数は増えないはず?



 神社の参道途中からいつものようにダンジョンへ。

 速度は落としたが、身のこなしはさすが。

 元自衛隊員だけのことはある。


 僕の【感知】にも、ヨッシーの【カメラ感知】にも何もなし。

 感知距離は同程度。

 ヨッシーのは本国で使いっぱなしだったので伸びたよう。



 結局追跡者は皆無。

 彼女が気にしていたのも無理はないが。


 自衛隊は、彼女を見限ったのだろう。

 実質ステがトップでも、もうダンジョンには行けない。

 見張る価値もないという事だ。


『未来』ではあれほど必死にステ持ちを確保していたのに。



 ダンジョン前に着いた。


 イーチェンの正体と「ヨッシー」呼びは伝えてある。

 自衛隊でも呼び名省略とかあるはず、多分。


 北村さんは下の名が「晴美」。

 なので、ハルと呼んで欲しいそう。


 さっき買ったジャージを渡す。

 ユイ、ヨッシーと一緒の彼女から離れる僕。

 土魔法発動で即席着替えスペース完成。


 2人が着替えを持ってあげたりサポートできる。


 元々動ける服装だったんだけど、お揃いがいいよね。


 買った時に着て帰ればよかったが。

 土魔法のお披露目を兼ねて。




 既に必要な説明はしてある。


 ここが本来『特定ダンジョン』と呼ばれていた事。

 単純だが、すぐに強力な魔物が出る構成。

 だから「パワーレベリング」に適している事。


 今日必ず使うだろう、【障壁】の事も。

 オーガにも有効、切れる前に重ねがけ可能とも。


 他は緊急用のスキルがあるとだけ。



 ダンジョンに入る前、最後に言っておく。


「僕の“強さ”は60ですので」

「えっ!?」


 返答せず、さっさとダンジョンの小さな穴に潜っていく。


 色々考えを巡らせたのだろうか、彼女は尋ね返さなかった。

 “本当”だと判定も出たはず。

 本当に近いグレーだったかもしれないけど……。




 ゴブが出た、まずは。

「【障壁】」

 これがどういうものか見せておく。


「僕が【ヘイト】で惹きつけている限り回り込んでは来ません。

 オーガでもまったく同じです」


【障壁】は解除、手順通りオークまでは僕が倒していく。

 単に時間節約だ。



 北村さん……ハルはもう【剣技】と【索敵】を持っている。

 オーガに勝つ事をイメージしつつ戦った結果か。

 そして、“強さ”も既に60は超えている。


 僕の【溜め】【鬼威圧(ヘイト)】【感知】を使った戦闘。

 おそらく、参考にはならない。

 けど、とりあえず『一般レベル』から見た意見を知りたかった。


 オークエリアが終わり、聞いてみる。


「文句のつけようがありません、見事です。

 後は緩急が凄すぎて……突然目で追えなくなることが多くて」


 なるほど、ヨッシーも含め敏捷が上がりすぎているからな。

 今のトップ探索者から見てもそういう事になるか。


「参考になりました、ありがとうございます」

「えっ? いえ……」


 感謝されても困るだろうな……。




「じゃあ、石投げじゃなく少しずつ慣れてもらう方式で。

 少しでも傷とかつければレベルアップしやすいですから。

 程よいところでヨッシーが倒します。

 もう無理と思ったら言ってください」



 オーガが来た。


 北村……ハルの緊張が伝わってくる。


「【障壁】」


 北村さんが必死に斬りつける。


 ハルだったな……あの芸能人を思い出せばいいか。

 美人だし、似てる感じもするし。



 うまく【障壁】を使って、目の辺りを斬った。

 要領がいいな。


「ヨッシー」


 オーガの首が飛んだ。



 ふらついている、レベルアップ酔いだ。


「45レベル……20レベルも!」


「ここで待ち受けて、ドンドン上げましょう、ハル」


 やっとまともに呼べたな……。

お読み頂きありがとうございます。

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■北村さんのステは、まとめる時間がなかったので後日。

 他キャラも順に後書きに書いていきます。

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