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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
170/175

“意思を伝える”

※昨日6/12 04:11に続き、今日最初の更新です。

 ここまでのシナリオは聞いていた。


『その後は君に任せます。

 一旦今日この話が潰れてもかまいません。

 もう一度チャンスはあるんですから』


 元総理の言葉を思い出す。

 なぜ僕をそんなに信用できるのか。


 ともかく、やるしか無い。



【多重思考】。

 統合された【思考加速】も使えている。

 頭が良くなるわけではない。

 けど、可能な限り多くのパターンを想定できた。



 総理が「再考する」意志は口にしたが、それではダメだ。

 一度潰れるか、はっきり進むかの2択。


(考えがある。ユイ、これからは黙って聞いてて)

(わかった、まかせた)


 もう数分しか無い。



   【会話】

 なんか出た。


 地味な名前、【詐術】とかよりマシだが。

 効果は、“相手に意思を伝える”?

 当たり前過ぎると思うけど……。



 僕とユイが立ち上がる。

 自己紹介はしない。

 どうせそれどころでは無くなる。


「総理、僕達2人は既に『探索者協会』に入っています。

 部屋の反対側、あっちを見てもらえます?」


【加速】。

 使わなくとも見えない速度で移動できるが、念のため。



 突然反対側に現れた僕と、今話していた場所を交互に見る。

 ユイ以外全員。


「そっちに戻ります!」


 ユイの横にまた並ぶ。



「彼女は本当は火の魔法が得意ですが、危険なので水で」

(ボックス回収するからデカい玉を)


「ウォーターボール」

 いきなりだったが、ユイならなんでも無いはず。


「消して」


 実際は僕が回収した。



「僕達はこっそりダンジョンで訓練しました。

 魔法で隠蔽できるから簡単ですよ。

 石田総理だからお話するんです」


「そんな事が可能だったとは……」


 井上議員と大臣は口をパクパクさせている。

 そりゃ焦るよな……。


「おそらく、全国なら同じような人間がいるはず。

 既に何十人、いや何百人かも」


 事実かもしれない、自分で言ってて分からなくなる。



「そして、『ダンジョンの生物の溢れ出し』ですが。

 必ず数カ月後に起こります。

 僕達には、()()()()()()()()()

 もっと心配なのはその後。

 強い生物が出れば処理できない事も有り得ます。

 結局外国に依頼しなければなりません。

 戦争無しで国が壊滅することもありえます。

 止めるには、探索の開放しかありません。

 ()()()()()()()()()()()()


 さっきのスキル【会話】が強く発動している!


「自衛隊では無理?」


「あの大国で民間人探索者が圧倒的に多いのはご存知ですね。

 秘密裏に軍もやってるでしょう。

 でも、普通の武器では通用しないのは明らかです。

 ダンジョン内ではいくら火力があろうと危険ですし。

 可能ならとっくに軍が率先してやってるでしょう」



「しかし、いくら実力のある君たちでも……」


「総理、彼らの実力は私の数十倍はありますよ」

 北村さんが察したよう。

【洞察】の効果?


「はい、石田総理。

 僕達は全面的に()()()()()()()()

 表に立たず、隠れた探索者たちにも対処します。

 ()()()()()()()()()



 満を持して元総理が口を開いた。


「私は彼らに全面的な信頼を置いています。

 彼の言葉を保証します、石田総理。

 そして井上君が世界の武器管理制度など、詳しいはずですね」


「はい、全世界のデータを集めました。

 元は日本に似たような制度の国もありますよ。

 草案も作っていますが、これから協力者を募ります」



「それに関しては、表には出ないように私が全面協力します。

 各派閥への根回しは引き受けました。

 あっ総理、有事なら日本の防衛費ではすぐに弾切れですよ」


 最後も元総理が締めた。


 井上議員たちは落ち着きを取り戻した様子。


 色んな意味で派手にやらかしたからな。

 気が気じゃなかったに違いない。




 ドンドンと扉が叩かれている。

 時間らしい。

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