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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
169/175

説得

※昨日6/11 05:00に続き、今日最初の更新です。


■次の更新は今日夜か明日になります。

 おまたせしますm(__)m

 電話を終えたあとも全員が落ち着かないようだった。


 ユイだけはヨッシーへの説明で忙しかったが。

 ヨッシーのメモを見るとかなりキレイな平仮名だった。

 相当勉強してるよう。

 この字は見本を見ながら相当練習したんだろうな……。



「そういえば、掲示板のチェックが途中だったですね」


「いや生見さん、もういいですよ。

 あちこち調べても少なかったんでしょ?

 全部調べなくても『まとめ』の方を見てれば大丈夫ですよ」



 また電話だ、慌ただしいな。

 あれ、井上議員?

 忙しいんじゃ。


「はい、もし……」


『大変です!

 総理が計画中止にするって言ってます!』


「えっ、一体何が?」


『自衛隊員の面会があったんですが、その後突然。

 同席できなくて何があったやら』


「僕達、行ったほうがいいです?」


『助かります。

 北村さんは元総理の手配でもう呼んでます。

 5時過ぎには官邸に戻って定例インタビューなんで、それまでに。

 真裏入り口で待ってます』


「わかりました!」



 もうすぐ4時だが、ここから40分あれば着くはず。

 渋滞なら走って行く……。


「生見さん、車出せます?

 緊急……総理が心変わりしたって。

 議事堂へ行きましょう」


 ヨッシーには悪いが、留守番してもらうことにした。






「この辺どこにでも停めてれば分かりますんで。

 いつもすみません、生見さん」


 議事堂裏側の入り口。


 北村さんはもう着いていた。

 元総理と井上議員ともう一人、確か防衛大臣だ。

 そりゃ急いで来るな。


「とりあえず手続きだけして中へ。

 話は通してあります」


 元総理だ。

 多分いろんな準備はしてあるはず、この人なら。


 僕も一張羅(いっちょうら)のスーツを着てきた。

 ユイは地味なフォーマル(?)っぽい。



「委員会室を借りてますので。

 長くて10分程度取れるとは思いますが。

 初めましてですね、お二人は」


「あ、お会いできて光栄です!」

「はじめまして」




 石田総理が現れた、SPらしき人も3人。


「悪いですね、忙しいところ」

「いえいえ、あなたの頼みなら断れませんから」


「この3人の身元は保証します。

 機密事項ですので……」


 元総理が顔を向けるとSP達は下がった。

 ほど近い首相官邸までの、一応の警備なんだろう。



 入ったのは会議場だ、委員会室って言ったか。

 7人もいるし、机が多すぎて狭く感じる。


 側面のイスだけの場所は少し広い。

 そこに、総理から順に腰掛けた。


「北村君」

 立場上か、言ったのは大臣だ。


「はい。

 総理、隊員が来たそうですが、スライムの話ですか?

 魔石の採取の危険性も?

 もしかしたら、脅しのような文言も?」


「ああ、その通り。

 脅しなどは受けていない。

 危険な法案を通せば政権が危ないと言う程度で……」


「総理はご正直ですね」


 なるほど、危険性が問題と思ったか。

 それと、ある意味脅しのような……。


 次は井上議員だ。

「彼らは魔石の利権を独占したいだけですよ。

 統合幕僚長がもう内部調査で突きとめてますので。

 ですよね、大臣」


「ああ、その通りだ。

 その横やりの本質は陸上幕僚長以下の思惑だけだ。

 自衛隊はあの法案作成とその後処理に全面協力させる」



「魔石はゴブリンという相手から取れます。

 まずスライムで基礎を。

 その上で多少訓練すれば安全に採取可能ですよ」


 北村さんのアドバイスに総理は顎に手を当てる。


「うーん、なるほどそうなのか。

 事情は飲み込めてきた」


「北村君、あれを」


 井上議員に言われ、北村さんが後ろの通路へ。

 それだけでも人間離れした速度だったが……。


 通路を軽く走って往復する。

 常人には信じられない速さだろうな。


「安全というのは、こういう能力のおかげです」




 総理が口を開いた。


「もう少しだけ考えてみるか。

 あのネット調査を覆せる唯一の道かもしれない」


 そう、『石田政権を全く評価しない』70%超え。

 昨日からネットを賑わせている大手サイトの調査だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] レベルアップやスキルって現状で言うと拳銃や兵器みたいなもの。日本でシビリアンコントロール抜きで民間人が兵器持つって状況ってあり得ないしなぁ。 民間人に兵器を与える理屈として、魔石を取る時安…
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