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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
168/175

「魔法」の時代

※今日06/11は02:34に続き2回目の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

 議員どころか、とんでもない人からの電話。


 ユイが書く真似をして何か訴えている。

 あ、メモ用紙とペンか。


 指差すと慌てて取ってきてヨッシーに渡し何か言う。

 メモして後で質問しろということか。



『井上くんに番号は聞きまして、突然失礼しました。

 渡された魔石ですが、独占しない約束で3社に提供したんです。

 一つは早朝から私も立ち会ったんですが。

 驚くべき結果でした』



 反応を見るだけのつもりで今の総理に漏らしたらしいが。

 とんでもない動きになってしまう。


『世論調査は必ず見ているらしくて。

 ダンジョンと同時に、次の選挙に向けての調査もです。

 評価されてないらしくて。

 ショックのところに朗報だったんでしょう。

 いつもでは考えられない変わり身の早さでしたよ』


 今回元総理ご自身は一切表に出ないつもりらしい。

 最近ダンジョンの事で頼りにしている井上議員に任せたそう。


『井上君が落ち着いたら連絡があるでしょう。

 メールくらいは大丈夫でしょうね、出してみては』



「はい、でも納得できない点があるんです。

 お聞きしていいです?

 僕のお伝えした魔石の精製方法の事です」


『ああ、想像は付きます。

 あ、どうぞ質問してください』



 僕が伝えた精製方法とは。

 単に細かく砕いて圧力をかける、ガソリンエンジンみたいなものだ。

 そんな簡単な方法で結果が得られたのか。


 そして……。


「あの……7年後の話は聞いてますよね?」


『もちろん。

 北村隊員の証言もあるし、全面的に信用しますよ。

 魔石の実験が成功した今はなおさらの事です』


「あの方法って、7年後の最新に近いものなんです。

 でも、変ですよね?

 7年も掛けてあんな単純な方法に落ち着いたっていう事が」



『ええ、まず今日行った最初の実験ですが……』


 火力レベルという話だが、念のため隔離した。

 ロボットアームを使うという念の入れ様。


 最も小さいゴブの魔石1個で、熱放出はなかなか止まらず。

 仮設置された循環水は沸騰し続けた。



 その間に、僕が話した初期の方法も試した。

 魔石にそのまま圧力をかけると強く燃えた。

 本当にまるで石炭だったという。


 これでも相当のエネルギー。

 心配になって最初の実験場へ。


 最初の魔石粉は燃えずに穏やかに発熱し続けていた。

 そして、循環水の勢いを強くすると……。

 それに合わせて沸騰するように強い熱を発生させたと言う。


 石のままの場合の数倍の時間を数倍の熱量で。

 総熱量は数十倍だという。


『まるで魔法でしたよ。

 いや、本当に魔法なんだと改めて実感しましたね』



 なんてことだ。

 僕が「魔法的利用」が可能と思っていた方法が……

 まさに“それ”だったとは。



『お答えがまだでしたね、もうお分かりでしょうけど。

 原石そのままでも相当の熱が発生したんです。

 細かく粉砕なんて、相当な危険と思われていたのか。

 あるいは原子炉のようなものを作るのに時間をかけたか。

 自ら思考するかのように発熱するというのは予想外だったんでしょうね。

 科学に毒された思考では』


「はい、科学的な思考が常識ではない時代なんですね。

 もう今は」

お読み頂きありがとうございます。

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