表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
158/175

銃刀法違反?

※今日6/04は00:30に続き2回目の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

「実は……。

 これを見てください。

 この【収納】は比較的普及するスキルです」


 黒い穴が見えるよう、立ち上がり反対を向く。


 取り出したのは両手細剣。


「おお! 凄い剣ですね!」

 先に反応したのは議員。

 未知のスキルには理解が追いつけなかったか。


「これは……官製のものですか?

 菊の紋が付いていますね。

 立派なものです」

 北村さんも見ている。


「はい、極右の武器とかじゃないですよ。

 先に言われちゃいましたが……。

 国の『討伐隊』で支給されたものです。

 北村さんが薦めてくださったものです」


「私が……そうなんですね。

 まだ理解が追いつきませんが」


「本物です、抜いてみてください」


 北村さんが少し抜くが、長すぎて全部は無理だ。


「ほぉー」


「議員、これ無登録です。

 銃刀法違反ですよ」


 ちょっと挑発してみる。

 ユイが呆れている。


「自衛隊員は任務中は武器を携帯します。

 制約はありますが。

 あなた方もある意味、任務中なんですね」


 大丈夫なの、と突っ込みたくなる。

 必死で探索者のスキルとかしゃべってた人だからな。

 僕のカキコ情報だけど。



 まあ、本来なら僕達をハメていると疑うところ。


 だが、膠着(こうちゃく)状態のままはやめておこう。

 ユイの言うように。



「林さんは教官、北村さんはAランクでその補佐でした。

 僕を『討伐隊』に連行……。

 というか入隊手続きしてくれたのは北村さんです」


「Aランクなのに教官補佐?

 林と一緒?

 分かるように最初からいいですか」


「並行世界?

 まさかスキルなんですか?

 SFっぽいですが、ダンジョンが生えてくる世の中なら……」


「はい、僕とユイが戻って来れたのは固有スキルです。

 25歳から7年もの歳月を戻って高校生に」



 まずは桜さんやイアンに話したように、知っている歴史を話す。

 最後は「負けた」とだけ。


 そして、ダンジョン発生日に戻ってから。

 桜記者、イアンやイーチェンの話。

 秘密裏に探索者協会所属であることも。


 話していないのは実際のレベルと訓練ダンジョンの存在だけ。


「ヨッシーと呼んでいたのはイーチェンです。

 本名と漢字が同じ『佳子(よしこ)』にするそうで」


 彼女が日本好きになった経緯を話す。

 日本で探索者になる悲願も。



「真偽の確認はいいんですか?」

 議員に尋ねる。


「今更疑う余地はありません。

 北村さん、そうでしょう」


「はい、すべて真実です。

 ですが……。

 これからまた相談する必要がありそうです。

 どこまで報告するかを決めないと」


「あ、そうですね。

 そこが問題ですね」




 珍しく【多重思考】が目まぐるしく働く。

 単に、この場合はこうなるという思考を繰り返しただけ。


 僕の知識や想像力以上の事はできないが。



「まずは、元総理に『ありのまま』伝えてみては?

 あの方なら対外的にどう振る舞うか……。

 いや、僕達を『どう使うか』。

 そのツボを見つけてくださる気がします」


 結局丸投げだが。

 これしか選択肢はないとも思えた。


「度胸が要りますね……。

 けど、ベストは尽くしましょう」


「私もAランクで新人担当は繰り返したくないです。

 それがあったから私たちはこうして出会えたんですけど」


 なるほど、前回この件は失敗。

 あの地位にいた、という事か。



「忘れてました、固有スキルのあの『先達』の事を。

 これには大きな意味がある、と思っています。

 なぜなら……」

お読み頂きありがとうございます。

もしよろしければ、この下の★★★★★(クリック)評価とブックマークをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ