尻切れ?
※昨日6/02 04:00に続き、今日最初の更新です。
大変遅くなりました!
また同じお客さん、生見さんと一緒に来た。
自ら手続きを済ませてきたよう、動きは見えてたけどね。
生見さんは帰っていった。
議員が苦手?
よほど大事な話でもしていると思ってるのかも。
わざわざメールを使いユイを呼び出す。
この人達には念話の存在は秘密だ。
コーヒーを準備している間にユイが来た。
後は水を入れて、リビングへ。
ヨッシーには後で2人がかりで説明しよう。
「さっそく、何か司令です?」
適当な事を言ってみる。
まず議員からだ。
「いいえ、今回は全て隠すこと無く話そうと。
いや、私がしゃべったのは全て事実です。
実は私も知らなかった事があったようで。
北村さん、お願いします」
「はい、全て話せなくてすみませんでした。
スキルについては本当です。
もうお分かりですよね?」
「僕が“脅威”として報告されてしまったんですよね。
そして、その疑いは解けていない。
北村さんご自身が僕に間違いないと確認できた。
それを報告する……もうされたのかも」
「違います!」
強く断言する声に僕ら2人とも気圧された。
議員もビクッとなったような。
「すみません、報告してない事を言いたくて。
その前に。
あなた方は私たちと同じ事を願っているんですよね?
探索者のいる日本にするという願いを」
「その通りです」
北村さんがユイの顔を見る。
「もちろん同じです」
ユイも答えた。
議員が北村さんの顔を見ている。
うなずく彼女。
「私の固有スキルについて話します」
「ちょっと、それはダメって言ったばかりでしょ」
「いえ、これを伝えないと今日の話が無駄になるんです。
私の固有スキルは【洞察】。
スキルと同じ名前ですが、効果は別物。
相手の言葉など、真偽が分かるんです」
北村さんは一気にしゃべった。
少しの間が空く。
今日の話し合いの内容をもう一度思い出す。
今の告白がどういう意味を持つか。
こちらの言葉は全て偽りではないと伝わった事になる。
しかし……。
「でも、申し訳ないんですが。
僕達には、その言葉自体の真偽が確認できません。
それに、味方だと言われた事自体事実なのかも」
北村さんも気づいたよう、表情が曇る。
フォローしておくか。
結構信用しているのは確かだから。
特に、議員の必死な弁舌を聞けば誰だってそう思うだろう。
「でも、議員の言葉は信用できましたよ。
もちろん、北村さんのお話も普通に納得できました。
ただ、偽りがあったことで疑いが……」
「すみません、思い込みがありました。
固有スキルの事を話せば信用が得られるものと……」
「こんなことまで聞くのは失礼なんですが……。
念のため、固有スキルの詳細を教えてもらえます?」
「詳細って?」
「意識を集中すれば『詳細』が読めるはずですけど」
「あ、すみません初心者なので……」
僕の時はどうだったっけ。
何レベルで【加速】が出たのか、すぐ読めた気はするけど。
あ、『キリ番称号』があったせいか。
初っぱな意味不明で、普通に読んでたからな。
「えー、『真偽を見極め、先達の助』……。
助けるの漢字のところで切れてます。
中途半端ですけど、それだけですね」
ユイと顔を見合わせた。
僕とユイの『先達者』『先達の同行者』。
北村さんの『先達の助』。
お読み頂きありがとうございます。
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