本音
※今日6/02は00:00に続き2回目の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
一体これは朗報なのか悲報なのか。
自衛隊の……トップと防衛大臣までが動いている。
今も実質政界を動かせる程の切れ者、元総理までも。
もちろん多くの議員の賛同が必要だろう。
簡単なことではない。
そのための世論が動きつつある。
ファミレスでウワサが聞けるほどに。
確かに『本物の情報』は流したがそれほど影響があったのか?
全く実感が無い。
というか実質ネットが動いたのは何気ないおかしなカキコから。
石を投げるというアレだったらしいが。
けど、大きな問題があった。
200レベル探索者だなんて思われていた。
北村さんの【洞察】がレベル、いやステ総量感知能力とは。
既に僕は“脅威の存在”として報告されているらしい。
北村さんは能力の事以外言及しなかった。
あの議員が話を進めるに任せていたようだ。
当然、ユイとヨッシーのステの高さも分かったはず。
彼らが本当に『討伐隊阻止』に動いているなら……。
僕達の事は保留してもらえるはずだが。
そもそも、話自体が信用できるのか?
高レベルの僕を発見したゆえの罠もありうる。
その程度の可能性は考えておくべきだろう。
ユイとは両方の可能性を話した。
しばらく休んで様子見しようという事に。
ヨッシーは議員の早口に追いつけなかったよう。
大まかに説明してあげる。
駐車場、ファミリーカーに乗り込んだ。
エンジンを始動した井上に北村が言う。
「まだ出さないでもらえます?
話さないといけない事が」
エンジンはかかったままだ。
アイドリング状態ならそううるさくはない。
「実は……。
前報告した200レベルは、彼に間違いないです。
残り二人も多少差はありますがそれに近いです」
「なら、あの時撒かれたのも納得です。
彼は日本人ではない!?」
「いえ、彼のデータや言ったことに嘘は無いです。
どこでレベルを上げたかは知りませんが……」
「しかし……嘘ではないという根拠は?」
「彼の言っていた『固有スキル』を手に入れました。
相手の言葉の真偽が正確に分かるようです」
「うちで飼ってる犬の名前は義太夫です。
猫の名前はシロ。
亀はカメ太郎。
どれが本当でどれがウソか答えてください」
「猫だけ飼ってますね。
シロという名前は一部だけ違うような」
「はい、正確にはシローです。
たまたま言い損なったんですが。
……分かりました、信じましょう」
「それで、戻ったらありのまま報告するんです?
井上議員」
「何か案が……もう一度行きますか?
本音で話して、信用を得るために」
「完全に信じてもらえるかは分かりませんけど。
少なくとも私の固有スキルの事もすべて話します。
そして彼らの事をどう報告するかは彼ら自身に相談を」
「分かりました!
僕らがこんな大仕事をすることになるとは……。
まだ時間は早いです、行きましょう!」
エンジンを切り、車から飛び出す2人。
彼らのエンジンはようやく掛かったようだ。
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