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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
154/175

情報応酬戦

※昨日6/01 04:00に続き、今日最初の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

 北村さんは若かった。

 そして綺麗だ。


 スキルで遠くから見るのとは違う肉感。


 例の男は積極的だった。

 でも、できたら北村さんだけと話をしたい。


 一蓮托生って。

 なんで僕の尾行に必死になるんだろうか。


 仕方ない。

 2人ともおやつタイムに連行させてもらおう。




「ユイとヨッシーは僕の部屋に行ってて」

(ヨッシーに余計なこと言わないように釘刺しといて)



 管理人さん(?)に断っておかないと。


 男性は名刺を出す、国会議員だと。

 生見(ぬくみ)さんと僕に、襟の裏の議員バッジを見せた。


 それと知り合いの自衛官、ということに。


 生見さんは気を利かせて顔は出さないそう。

 お茶とケーキは持って行くからと伝えた。







 おやつタイムのようだ。

 イチゴショートと好みのお茶、紅茶を選んだ。

 アンパンに手を出さなくて良かった。



 なんでこんなにリラックス出来ているんだろう。

 井上さん含め、ケーキをおいしそうに頬張る全員。


「すみませんでした。

 浜辺さんを監視するような真似をして」


 謝り、調査書類を見せる。

 井上議員も止めなかった。


「全部分かっちゃうんですね。

 写真まである」


 この男性は日本人だということになる。

 前の報告で“脅威”とされた存在。

 別人、ではない。


 いや、日本人だと偽っていたら?

 それは無いという確信がある。


 確信って。

 なぜ確信している?


 固有スキル【洞察】だ。



「えーと、北村さんでしたよね?」


 わざとらしい。

 最初から名前を知っていたくせに。


「あちらの探索者情報なんですけど。

 オークって言ってたな、その次くらいの魔物なんですが。

 角があるやつがいて、それには絶対手を出すなって。

 相当レベルを上げないと死ぬって」


 最初、あちらの情報というのは嘘だ。

 自分で知っている情報だろう、他は事実。

 北村自身が確認したことでもある。


 しかし、タイミングよく教えてくれる。


 忘れそうになってた、この男性は200レベル超えなんだ。


 続けてしゃべるようだ。


「【鑑定】というスキル持ちが増えてるようで。

 これを使えば人や物の、魔物以外のステータスが分かります。

 ステータスの数字や通常スキルは全部見えるそうです。

 でも……」


 これも同じパターン、本人からの情報。


「固有スキルや称号というのがあるそうですが。

 それは【鑑定】では見えません。

 カマをかけられ、教えてしまわないように……。

 という事です」


 井上議員が勝手にメモしている。


 男性自身がこの能力を使っていても不思議ではない。

 いや、その方が説明がつく。



 今度はお返しとばかりに井上がしゃべりだした。

 止まらない。


 今、自分達が日本の探索者を作るために動いている事。


 このままでは陸自上層部の思惑通りになる。

 国による『討伐組織』による利権の独占。


 女性2人には構っていない。

 高レベル、間違いなく関係者だが井上さんはどう見ているのか。


 どうやら、洗いざらいしゃべって協力を求めるつもりらしい。

 それはいいと思う。


 だが、“脅威”の件を聞いてどう思うだろうか。


 いやそれ以前に。


 まず、私たちの事が信じてもらえるかどうか。

お読み頂きありがとうございます。

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