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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
153/175

【洞察】

※今日6/01は00:24に続き2回目の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

「うーん……」


 どうするべきか、またあの人物が来ている。

 一緒にいるのはよりによって北村さん。


「北村さんらしい人がいるのよね。

 ヨッシーにはわけがわからないだろうけど……。

 未来の知り合い、ってゆーか……」


「こゆうスキル、ですね。

 わからないけれど、そのことわかってます。

 ヨウとユイ、みらいしってる、それしかない、です」


 そういえば、日本支部でヨッシーは指摘してた。

 根本部分を、ヨッシーだけがすぐに理解していた。

 なんとなくだろうけど。



 北村さんは未来に起こることを知らない。

 僕達は「知らない人」。


 幸い、彼女には【洞察】というスキルがある。

 それに賭けるしかない。

 けれど。


 もう一人の男、この前()いた人物だ。

 この人物をどう扱うか。


 おそらく、この前跳ねて姿を消したが、それがまずかった。

 後で見ると、あの場所には結構離れた非常階段しか無かった。

 おかしいと思われても仕方ない。



 わざわざここに来た理由を尋ねるしかない、か。

 放ってはおけない。

 北村さんにだけは、再会の約束をして色々話したい。


 あとはのらりくらりごまかすしか無い。

 書き込みから探索のスポンサーだと思っているはず。

 わざわざ僕にこだわる理由はない。



「よし、普通に帰ろう。

 途中で別れて僕一人で話すから」









 ファミリーカーの中で彼らの動きを待っている。

 今日はとりあえず様子見。


 アンパンならぬ、菓子パンとコーヒー類が用意してあった。

 勧められたが、缶コーヒーだけ飲む。



 待っていれば、買い物や食事に出かけることもあるはず。


 要するに、井上議員が言う「不思議な事」が分かればいい。

 彼はおかしな事を想像しているようだが。



 しかし、胸騒ぎが止まらない。

 スキル?

 どっちの?


 突然、北村をとんでもない衝撃が襲った。


 横を歩いて行く2人。

 トレーニングウエアの女性ふたり。


 200レベル手前くらい!?

 どちらかがもっと高いが、そんな事はいい。


 異常だ!


 そして……。

 気づいたがもう遅かった。


 助手席扉が外から開かれた。


「北村さん、おひさしぶりです」


 確かに久しぶり、この前訓練の時会った。

 顔は初めてまともに見た。


 若い、いや報告書通り。


 逃げることは不可能だろう。


 私の名前を知っている?



「あっごめんなさい、初めましてですね。

 どうして僕のことを調べているんです?」


 スキルがやかましい程警報を鳴らす。

 一方で何かがそれを抑え込もうとしている。


 固有スキル【洞察】が勝ったようだ。

 通常スキルの方はもう働いていない。


 落ち着きを取り戻した。




「あの、すみません。

 お話を伺えたら、と思いまして」


 井上だ。


 見つかったからにはそうするのが一番だろう。

 普通の判断ができないほど混乱してしまっていた。



 男は一瞬考え、答える。


「北村さんだけではダメですか?」


「いや、僕も一蓮托生なんで。

 僕からもお願いがありますし聞きたいことも。

 一緒にお話を」


 井上が引き下がらない。



「……分かりました。

 僕の部屋へ行きましょう。

 車はうちの駐車場に入れてください、案内します」

お読み頂きありがとうございます。

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