ただの『剣士』
※昨日5/31 04:00に続き、今日最初の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
ダンジョンの進展は……。
ようやくフェンリルに全員で挑んでいる。
まず、ヨッシーに一緒に進んでもらえるようにする。
僕自身も忘れそうになるが、彼女の本名はイーチェンだ。
早く進みたいのはもちろんだ。
しかし3人で進めないと意味が無い。
この程度の日数で全員で進めるならなんでもない。
のんびりは出来ないが、先は長い……。
オーガの速さに慣れたヨッシーにはミノで硬い敵にも慣れてもらう。
なんだかんだ言って初体験の魔物。
斬撃を試みるうち、【兜割り】を手に入れたよう。
この出方を見るとある程度のレベルとミノ戦が出現条件かも。
ヤスもそうだったし。
そして一度、ボス部屋の速ミノと戦った。
ヨッシーは、オーガの速さ+大剣を余裕で避ける。
デカいだけにモーションが大きい。
改めて見ていて気付く。
【兜割り】を決め、ヨッシーは106レベル。
既にジョブは『炎剣闘士』。
トドメを譲っている事もあり、僕らは少しずつレベルアップ。
ユイは116、僕は101レベル。
僕の新ジョブは『剣士』だった。
間違いじゃない、ただの剣士だ。
魔法剣士より見た目はいい気がする。
なので見せステもこれにしておく。
フェンリルも数を倒さないとレベルアップしなくなった。
最奥のボス部屋を目指し、この層で鍛えることになる。
ボスのドロップはお楽しみだ。
ユイには内緒。
今日はこの辺で終わろう。
気をつけて戻ろう、おやつが待っている。
北村が基地を出ると、車で待っていたのは井上議員だった。
陸上幕僚長かららしき書面を見せられ、車に乗り込む。
今回は1人だけの任務だ。
両者無言のまま車は走り出す。
基地から離れ、やっと北村は口を開いた。
「議員はそっち側なんです?
その書面、陸上幕僚長からですよね?」
「まさか、あなたと同じですよ。
表面上はこうしないと、助力を頼めないんですよ」
井上は事の成り行きを説明する。
ネットのあの書き込みの、重要部分が1人のものである事。
早速自分自身で探りを入れたが、不可思議な事が起きた。
数日悩んだ末、元総理に相談。
防衛大臣経由で、今回の運びとなった。
「なんでも、北村さんは我が国のトップ自衛官……
いえ、探索者だということで。
指名してもいないのにこういう事になったようです」
特にレベルや能力等、上司に詳しく報告はしていない。
別にそういう任務に就いている者がいるんだろう。
その者のデータから顔写真まで揃っていた。
一流外資系企業に引き抜かれたある意味エリート。
書き込みでは米国探索者の資金援助をしているらしい。
井上がこだわる理由がイマイチ分からない。
「僕が尾行、といいますか。
したときの消え方が絶対納得できないんですよ。
変なことを言ってるのは承知の上で。
まるで、あの時見たあなたのような能力じゃないかって」
それはありえない。
その者は日本人のはず。
あの時の、訓練の時の出来事が頭をよぎる。
そんな訳はないのに。
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