翌日
※昨日5/30 04:17に続き、今日最初の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
北村は別の隊に派遣されていた。
もちろん表向きは「討伐専用隊の準備」。
殉職者の補充なので、潜るのは北村のみでよかった。
その者は群れゴブリンに遭遇、引き止め役を買ったらしい。
まさか6匹も出るとは予想外だったという。
ここのエースだった剣士だ。
直前に20レベルに達していたというのに。
投石のことは全員知っていた。
だが、魔物を呼び寄せてしまう問題がある。
特に、ただ1人の魔法スキル持ちには大きな問題だった。
北村が、魔力をぶつける方法を教える。
残りや体調に注意しつつ、なるべく使用魔力1になるように。
繰り返しやればできるはず、らしい。
今日、例の掲示板に出ていた「本物情報」の書き込み。
あの記号付きの何者かの情報だ。
林は今日は雑用係だ。
アドバイスとして「ステ初期値の件」を言っておく。
ここの者は多少高レベルだが知らなかったようだ。
直接連絡でもしなければ伝わらないよう。
各地探索部隊、全員への周知をしてもらわないと。
幸い、それぞれ初期ステに特に問題はない。
魔法担当が、体力と強さが低いだけだ。
この部隊全員がレベルが高いのもうなずける。
ダンジョンへ。
まずは前進せず、魔法担当以外が交代でゴブ単体を倒す。
投石もなし。
これはメンバー内での戦闘力の再確認にもなった。
最後は北村。
魔法担当を除けば、17レベルとは言え一番低い。
一瞬、一撃でゴブを倒した。
ここの全員には、以前のリーダーでさえ凌駕する動きに思えた。
「もう一度、やってもらっていいです?」
サブリーダーが聞く、1曹の北村のほうが階級は上。
だが探索時は実力で序列を付けるように命令されている。
次の一撃で序列は決定しそうだ。
とにかく、この隊で出来るだけレベルを上げたい。
もちろん彼らのレベルも上げる。
投石を含めた「パターン」の確立が急務だ。
井上議員は途方に暮れて議員事務所にいた。
書き込み主の住所含む身元調査書をもらった。
あの当日、早すぎだったが気にするまい。
例の『◆nTeGkNWJuY』、詳細情報の書き込み主。
注目すべき書き込み3件、全てが彼の住居からだった。
高校卒業のひと月後にスカウトされている。
あの外資系企業情報部門にだ。
会社のトップであるイアン・マックスは探索者協会創設者。
本人も高給取りだろうから、探索者援助も納得行くが。
純日本人でもあるよう。
だが、引っ掛かる。
昨日彼が消えた場所には入り口等はなかった。
マンションの非常階段はあったがかなり奥側だ。
数秒で隠れられるはずはない、間違いない。
あれから1時間はじっとして周囲を見ていた。
あり得なかったから。
幸い井上自身が不審者として通報されることはなかったが。
上の監視カメラにも顔を写されたはず。
連続で行くのはヤバすぎる。
単なる趣味のようなネット書き込みにこだわる必要が?
いや、なにか引っ掛かる。
昨日からその事ばかり考えている。
次はどうするべきか。
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