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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
148/175

報告終了

※昨日5/28 21:00に続き、今日最初の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

「ちょっと失礼します」


 井上議員がパイプ椅子を2つ持ってきた。


「お二人も立ちっぱなしじゃアレなんで、どうぞ」


 北村と一緒にモニターの一番遠くに座る。


「そういえば、あなた方の聞いたステの話って?

 一応気になるんでよろしければ」


「立たなくて良い、正式報告は済んでる。

 まあ、余談だな」


 幕僚長の言葉に、立ち上がりかけた北村が腰を下ろす。

 例の「ステ初期値の法則」と、それが正確だったことを言う。


 私もこのチャンスに、自分の才能の無さをアピール。

 これでもう、ハードな任務を命じられることは無いはず。


「隊の人達には秘密です?」


「いえ、自分たちで見つけたという(てい)で教えてます。

 いい情報でしたから」


「では、引き続き林曹長もこの仕事をやれるな。

 他の物もムリは押し付けまい」


 クソッ、そううまくは行かないか。


「では説明を続けます。

 おふたりも何かあればお願いします。

 現役探索者ですからね」


「わかった」

「はい」






「元総理のご推察、見事でした。

 ネットの動きは、あの有名掲示板の書き込みからです。

 日本を最も率直に反映した、ある意味嘘の少ない掲示板です」


 建前抜きの本当の事はここで調べるのが一番だという。

 一部の『嘘』さえ見抜ければ。



「ここ数日で濃い情報が多くて……。

 僕も驚いているんです。

 有名になりそうなのは……。

 ある『物語』の書き込みです」


 秘書が指示の通り操作する。



「某国トップ探索者と言われたイーチェンの仲間の記録だそうです。

 既に多くの人が内容を検証していて。

 確認可能な事に関しては本物と認められつつあります。

 そして、この物語以前に書かれた全体のきっかけは……。

 次の画面を」


 石を投げつけ逃げる、という一見意味の分からない書き込み。


「これが恐らくブームの始まり、といいますか。

 この直後別のスレ……掲示板が作られ連鎖的に広まったようで。

 物語が書かれたのも、この流れに乗ったものかと」


 投石……何らかの攻撃でステータス発現という情報との一致。

 なるほど、石をぶつければ済むということか!

 誰かが倒すことが必須だが。



「掲示板関係の情報は、こちらの冊子に分けました。

 お二人には僕の分を差し上げます。

 さすがにプリンターは持ってこれなかったんで。

 説明はしますが、情報が多いので後でご一読を」


 私たちを含む全員に冊子を配る。

 表紙には、相関図らしき物がプリントされている。



 『アフれ』投石投稿>定着>「ダンジョンスレ」改題

      ↓         ↑

 「ラノベ一致論者」>「『アフれ』対処スレ」>イアンSNS

     ↓

 「情報収集スレ」 初スレ102◆nTeGkNWJuY ←ステ情報x2


 『俺のダンジョン日記』イーチェンの友人

  投石レベリングの元祖?


 それぞれのアドレスと「まとめサイト」のアドレスがある。

 QRコード付きだ。



 話によると、全てが一気に動きだしたらしい。

 それにつれ、SNSでも関連発言が増えた。

 だがあくまでも本流はこっちらしい。



「でも、ネットの話なんだろう?

 世論が変わるという確証ってあるのか?」


 あ、思わず口走ってしまう。

 北村に任せるつもりだったのに……。


「そこら辺のファミレスとか行ってみるといいですよ。

 一回では無理かもですけど、数十人に1人くらいですかね。

 この掲示板の話をしていましたよ。

 今はもっと増えてるかも」


「若者が広めているんだね」


「いえ、元総理。

 今の時代、60代くらいまでネット見てますから。

 最初のえーと……『パソコン通信』の世代ですかね」


 井上議員は「相関図」を一通り、流れがわかるように説明。

 どうやら、やっと終わったようだ。

お読み頂きありがとうございます。

もしよろしければ、この下の★★★★★(クリック)評価とブックマークをお願いいたします。


■誤字報告ありがとうございます!


※(5/29 04:30)ユイの苗字を「有村」に変更しました。

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