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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
146/175

転換

※今日5/28は00:00に続き2回目の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

「えー、他には……。

 そうだ、魔法は使えます?」


 やっと立ち直ってさらなる質問。

 もう許可とかは気にしなくていいだろうな……。


「いえ、使える者はまだ少ないです。

 2人とも剣を使っています」


 資料に色々書いてあるんだろう、銃使用の危険性とか。

 皆さすがに驚いてはいない。


「強さ、タフさ、素早さはどうです?

 同じくらいあるんですよね?」


 メモを見ているが、……どこからそれを手に入れたのか。

『丈夫さ』と『敏捷』の名称が食い違っている。

 ああ、海外情報の誤訳か。


「44から46ですね」


「ウソはありえませんから検証はまたの機会に。

 スキルは?」


「【洞察】という物を持っていて、相手の脅威度が分かります」


「僕の強さとかも?」


「いえ、ステータスを持っていないと何も……。

 ちょっと待ってもらえますか」



 北村が私に近づく。

 小声だ。


「あの接触者の件、言っておくべきだと思うんです。

 2度とないチャンスですよね」


 なるほど確かにそうだ、一石二鳥どころか三鳥かも。

 報告の手間も省ける。


「そうだな、ここで言おう。

 私が命令したことにしておくから」


「もうそういうレベルの話じゃ……

 とにかくやりましょう!」




 北村が議員を押しのける勢いで戻る。

 表情が変わり、自分の意志で口を開く。


「訓練中にとんでもない男性と遭遇しました。

 スキル【洞察】では100レベルをはるかに超えて……

 比較対象が無くて分かりにくいですが200はあったと思います。

 その報告のために戻りました、河野(かわの)統合幕僚長」


「えっ、それってぜんぜん意味不明……」

 司会役だった井上議員が混乱している。


「怪我は? 被害はどうだったのかね!?

 何とも無いようには見えるが、何をされた!?」


 怒鳴るように尋ねる幕僚長。



「いえ、その人物は私たちにステータスについて説明を。

 そしてそのままどこかへ消失しました」


「なるほど、我が国の者ではあり得ませんね。

 スキルという物の正確さなどはそちらで調べるとして。

 何かの予告に類する事、その男の喋り方、人種、等々。

 ここでまとめて聞き取ってよろしいでしょうか」


 元総理だ。

 訊かれると思ったことを全て言ってくれた。



 顔は一瞬見ただけで、若い日本人っぽいアジア系。

 言葉に訛りはなく、日本語は完璧に思えた。

 一方的に話したのは、

『ステータスの初期値とその成長度の関係』

 のみ。


 敵意がないことを示した?

 だが日本人ではありえない、世界でもトップと思えるレベル。


 スキル【洞察】は隊内で幾度も検証した。

 隊内のダンジョン初心者含めテストしたが、ほぼ正解。

 1・2レベル程度のズレがあっただけ。

 成長度の違いでレベルを読み違えるよう。



「井上君の説明とお二人の実演が役立ちましたね。

 あれがなければその者の脅威度は想像も付かなかった。

 防衛大臣、統合幕僚長のお二人は覚悟がおありで?

 いや、だからこの2名に特命を出したんでしょう」


「井上君に話は聞いていたが、大臣として真剣に考えた事は……」


「自衛隊トップとしてやるべきことをやるつもりでした。

 陸上幕僚長が大きな障害でしたので。

 それを打ち消しても余りある、まさかの報告です。

 それで……我が国でアレをやるには、難しすぎますな。

 特に今の総理では」



「待ってください!」

 井上議員だ。

 最初のイメージとは打って変わって堂々として見える。


「世の中も変わりつつあるんですよ。

 こんな国でも」

お読み頂きありがとうございます。

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