面々
※昨日5/27 04:31に続き、今日最初の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
体育館仕様のスチール机に4人並んでいる。
座っているのは当然パイプ椅子。
1人ははっきり知った顔、統合幕僚長。
さっき会った陸上幕僚長の更に上、真の自衛隊トップ。
後はなんとなく……あっ、防衛大臣だった。
他には元総理。
長期政権を務めた凄く頭のいい人、程度は知っている。
もう一人は比較的若い、議員か事務員?
立ち上がった、事務員というか議員秘書っぽいな。
ペーペーでニヤけまくるこの議員とは結びつかない面々。
学校の教室のように昔ながらの黒板、教壇もある。
横長の小さなステージ、と言えば分かり易いか。
教壇の横のもう一台のスチール机には。
真新しいテレビモニターとノートPCが置いてある。
その横に議員秘書らしき人物が待機。
「えー、海外事情はいつも話しているとおりですが。
改めてまとめたものをもう読まれたかと思います。
実際の米国の新聞雑誌も読んで頂けたかと」
「井上くん、今日は自衛隊内部の報告だったはずで……」
「幕僚長、申し訳ありません。
これから全てを進めるのに絶対必要な話なんです。
ワガママなのは充分承知した上でのことです。
皆さんのスケジュール調整でどれだけ……」
「分かった、分かったから進めたまえ」
「いきなりですが、本題です。
この2人の自衛官は、資料冒頭に書かれた能力を身につけています。
河野統合幕僚長、よろしいですよね?」
さっきまでのニヤつき具合からは想像できない変わりよう。
腐っても国会議員か。
「そのためにこの面々を揃えたんだろう。
思うようにやりたまえ。
林曹長に北村1曹、協力してくれるかね?
いや、本来中村さん、防衛大臣から言うべきか」
「現場には口は出しませんよ、決定を委ねられれば別ですが。
そういった、ややこしい事は抜きで進めましょう」
「ありがとうございます。
お2人のレベルを差し支えなければお教えいただければ」
迷ったが。
この男は統合幕僚長から一任された。
「私は13、北村が17だ。
あとは北村、頼む」
探索能力も説明能力も、北村のほうが自分より優れている。
その方が早く終るだろう。
「ステータスは最初は10程度でしたよね?
今は?」
幕僚長の方を見ると、うなずいている。
私はもう壁際に下がっているので北村が答える。
「40から45程度です」
別に驚きの声は上がらない。
ピンとこないはず。
常人の4倍以上なんだが。
「じゃあ、教壇の端から端まで2・3回軽く走ってもらえます?
上じゃなくて床で、危ないんで」
「それだけで?
あ、はい」
ビュン、ビュンとほぼ瞬時に移動する北村。
私が見ても人間技ではない。
私は半分にも満たないからな。
静まり返る室内。
議員本人も驚いている。
お前がやらせたんだろうが。
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