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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第三章
143/175

理解者?

※昨日5/26 04:00に続き、今日最初の更新です。

 これほど全員にピッタリ当てはまるとは。


 林自身も北村も、最初にステが出た時の数字は覚えていた。


 ゴブなら数人で掛かっても2レベル程度上がってしまう。

 逆算してレベル1からの上がり具合を調べた。

 やはり7が最低値らしく、11が最高のよう。


 遠慮しつつ、他の4人にも聞いてその場で計算した。

 あの男の言う法則通りだった。


 ムリに聞いて悪いと皆に言うと、役立ったと逆に感謝された。

 2人で比較して偶然分かったということにしている。

 この法則は広まるだろう。



 私は……剣士を続けるのはムリだ。

 そして魔力や知力はあるが、敏捷が致命的に低い。

 魔法を鍛えてもそのうち連携さえ取れなくなる?


 どちらにしろこの任務が終わったら、事務職にでもしてもらおう。

 ダンジョン攻略のために生まれてきたような北村とは違う。




「待たせたな」


 慌てて立ち上がる。

 こんな事さえ北村の方が速いな、やはり。


 ここは外国で言えば陸軍参謀本部、陸幕(りくばく)と呼ばれる施設。

 お偉方のいる場所だ。


「かしこまらなくていい、林君に北村君。

 特務報告だから人払いもしてあるし。」


「わかりました幕僚(ばくりょう)長。

 座ろうか、北村」


 相手は陸上幕僚長、トップだ。

 良いと言われても、失礼にならないようにしないと。


「報告があるという事だな、戻ったのは」


「北村が報告します」


「はい、念には念を入れて報告に参りました。

 報告書のとおり、民間人に接触。

 偶然のようで迂回を指示、他特にはありません。

『討伐隊』編成に向けての障害は無しと思われます」


「なるほど、特務自体には支障なしか。

 まったく、こんな些細な事も口頭報告とは。

 河野のやつも面倒くさい指示を出したものだ。

 ……ご苦労だった」


「はっ!」

 2人は立ち上がり一礼。

 脱帽時の敬礼だ。


 陸上幕僚長が机側の扉から、先に部屋を出ていく。





「ご苦労さん!」


 外で2人を待っていたのはスーツ姿の男。

 スーツの色は地味だが、ニヤニヤ顔に性格が出ている。

 これでも国会議員、ペーペーだが。


「帰ってきたってことは何かあったんですよね?

 そうだ、ステータス上がったんでしょ?

 スキルは?」


「話せるわけないだろう!」

 ついつい大声が出る。


「まあまあ北村さん、私たちの数少ない理解者ですから」

「それでも失礼なものは失礼だ」


「ご、ごめんなさい。

 僕も探索者……ステ持ちに会うのははじめてなんで。

 ついつい興奮しまして」


「前にも会っただろ」


「いえ、本格的な『ステ持ち』になってからは初めてですから」




 白のファミリーカーに乗り、3人は会合場所へ向かう。


 議員など普通は来そうにない、古い会館だ。

 下町なので車通りも少ない。

 追尾されればすぐに分かるはず。


 老齢の男性が管理人だった。

 案内され、議員に続き会議室に入る。



 学校行事で使うような折りたたみ机とイスだ。


「このお二人が例の。

 僕の言っていたこともちゃんと証明します。

 世界は変わったんです」


 少しえらそうで気に食わないが。

 ペーペー議員は自信に満ちているように見えた。

お読み頂きありがとうございます。

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