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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第二章
131/175

平穏な日々

※昨日5/19 05:29に続き、今日最初の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。


多忙のため遅くなりました。

今回も、何でもない閑話みたいな感じです。

 晩ごはんを食べ終わり、風呂に入ろうかという時間。


「父さん母さん、ちょっと待ってて」


 ダダダッと2階に上がり戻ってくる。

 久々に全ステータスを初期値に下げて普通感を出した。


 2人ともテレビを消して正座で待っていた。

 バレてた?


 いや、僕が「待ってて」なんてかしこまって言ったからだな。


「これ、2人に。

 初給料の、なんていうか……

 いつもありがとう、父さん、母さん」



「まあ」

「お、おう」

 なんて言っていいか、……言葉が出ないか。

 僕もそうだし。


 早く開けて、見て欲しいんだけど。


 こんなに立派に包んであったら開けにくいよな……。

 リボンだけにしてもらえばよかったかも。


 アメリカとかならすぐ開けて見るのが礼儀だったような。

 ドラマとかでベリベリ破いて開けるよね。

 ああっ包み紙、とか思ってしまう。



 ゆっくりセロテープを剥がして解体されていく包み紙。


 箱が出てきた。

 開ける箱が一個で良かったと思う。


 ペアウォッチ、一番シンプルな白の文字盤だ。


 母に軽くおしりを叩かれ、「ありがとう」と言う父。

「高かったんじゃないの?」

 まあ、母は予想通りだ。


 僕も照れくさくて、答えるだけでいっぱいっぱいだ。

「いや、普通のしか買えないから」


 特に盛り上がることもなく……。


 母だけは台所へスキップして行ったけど。


 母さんのは合わなければ革ベルトに変えてあげていいな。

 実は安く済んでる、ちょうど5万のは無かったので。

 父さんのは店で調整かな。





~~~~~~





 昼1時過ぎ、大通りで待っていると黒い車が止まった。

 スポーツカーぽいけど、フロントグリルのある高級車?


「のってくださいネ」

 助手席ガラスから顔を見せたのはイーチェン。


「うしろ、あけてネ」


 運転は女性のよう、サングラスを掛けている。

 初めて会う人だ。


 黙っている。

 降りてから自己紹介とか順序があるのか。

 最初から降りてくればいいのに……。


 イーチェンがなんだか楽しそう。





 着いた。

 山奥神社入り口のちょうど向かい当たりだ。


 車がゆっくり駐車場に入ると迎えらしき人が出てきて誘導。

 ここ、まだ工事してるような?


 降りるが、女性は無言だ。

 相変わらずニコニコしているイーチェン。


(どうしたんだろ? まだ無言って)

(ヨウ、謎はすべて解けた!)

(はぁ?)


 最上階に着いた。


「この階だけ、すべて先に内装工事が終わっています」

 しゃべった!


 鍵の束を取り出し、手近の部屋の扉を開ける。


「どうぞ」


 全員入ると鍵を掛ける。

 なんだ、この不穏な雰囲気は……。



 サングラスを外す女性。


「探索者協会社員寮へようこそ!

 福利厚生として、このフロアは社員寮といいますか。

 そういう扱いですね、残念ですが差し上げられません。

 ここは一番ダンジョンに近いですから」


 探索者協会の人だ!


「日本支社からこちらへ引き抜かれました、生見(ぬくみ)です。

 この付近と皆さんの担当になります、よろしくね。

 あっ、聞いてると思いますが契約が変わりましたので。

 日本語の雇用契約書に後でサインお願いします」


 日本支社っていうのはさっきの車の会社だ。


「ふたり、おどろいたネ?」


「ちょっとドキドキしたよね」


「うん、まあね。ね、ヨウ」

(ジッチャンのくだり、言うチャンス無かった……)


 アレ好きだなあ、ユイは。

お読み頂きありがとうございます。

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