サプライズ
※昨日5/18 23:00に続き、今日最初の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
「ただいまー」
「おじゃまします」
買ったプレゼントは……。
完全に見つかってしまうのはマズい。
僕達の買い物と思うかもしれないけど。
11億円入金のショックを引きずり気味。
とっくにプレゼントは【ボックス】に入れてある。
手ぶらなのに何か隠している風にした。
後で考えて、恐ろしく意味不明だったと思ったけどね。
僕はいつもと違ってすぐ2階に上がり、ユイがお茶の手伝い。
僕も台所に行こうとして思いとどまった。
ふぅ、何をしているやら。
ユイがお茶を持って上がってきた。
「今日買ったお皿とフォーク、洗ってないよね」
「大丈夫、汚れや不純物と【ボックス】内で分離できるから」
「うーん、一度は洗って欲しいかな」
「夜洗っとく。
皿とフォークを持ち歩いてるのも変だから、こっそり」
ケーキは下の紙があるからいいとして。
フォークはティッシュをお茶で少しだけ濡らして拭く。
僕は分離できてるの分かってるからそのまま使ったけど。
食べた後も、中に入れたら分離して洗浄終了だ。
そっちはいいのかな?
知らんふりで出せば大丈夫だろう。
1回だけは洗っとくけど。
通訳の浅田さんに、よろしくお伝えくださいとメールしておく。
忙しいイアンに直接伝言とかは気が引けたので。
ニュースは特には何もなし。
そういえば、イーチェンの日本での評判が気になる。
彼女はフェイク認定されていたのに、日本で契約した。
「興味を持たれてないんじゃ?」
ユイの言う通り、日本では『どうでもいい派』が多そう。
メール着信、ビクッとなった。
我ながら何を警戒してるのか意味がわからない。
イーチェンだった。
アドレスは交換していないが、あっちの通訳から聞いたんだろう。
電話番号だけ書いてあった。
『もしーもし』
当然だけど、掛けてすぐ声でイーチェンだと分かった。
昨日の角のある発声が日本語っぽくなってる。
「イーチェン?
日本語うまくなった?」
『おせーじダメよ。
書くのダメ、だからでんわネ』
いや、確かに発音だけは日本人に近くなってる。
「あ、ユイもいるからスピーカーにするよ」
『あーユイさんももしーもし』
「はいもしもし、イーチェン」
ユイさん、ちゃんと言ってあげないと。
違うって……。
いや、「もしもし」でいいんだっけ?
『わたしー、そっち住むヨ』
「住むってどこに?」
『ダンジョンはんたいに、アパートメント……マンションある』
「へー、良かったねイーチェン」
「ああ、もう一つマンション建ってたな。
高そうだけど……あっそうか」
『あなたたちもすむネ。
surprise gift ネ、ボスから。
あしたいくネ、またばんごうかける、たぶんひるすぎ』
サプライズって、給料振り込まれたばっかりなのに。
『じゃあネ、またネ』
「昼過ぎに電話なのか来るのかちょっと分からなかったけど。
早めに準備しとこう」
「ヨウ、相手はあのイアン・マックスって忘れてたね。
つぎつぎ……本当に住めるなら、住む?」
「うん、本当ならいいと思うよ。
それなら多分3部屋なんだろうね」
二人ともいまいち信じられずにいた。
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