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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第二章
126/175

契約成立

※今日5/17は01:30に続き2回目の更新です。

 読み飛ばしなきようご注意ください。

「契約の前に質問いいです?」


「どうぞ、ヨウ」


「まず、具体的にユイと僕は何をすれば?」


「あなた方はイーチェンを超える実質世界トップです。

 そのふたりと契約したという事実が重要です。

 とりあえずは隠れていてください。

 イーチェンが広告塔になってくれるはずですから」


「いつ表に出れば?」


「任せます。

 今の状況、日本人が探索者であることは許されないでしょう。

 私はそこから手を付けるつもりですが、相談役になってください」


 安心した。

 まるで日本人のような気づかいだと思った。

 心配していたことを見透かされていた。


 あ、ユイはそれでいいのかな。


「ユイは?」


「イアン、もし日本が変えられなければ私たちは?」


「ああ、その時の選択は自由です。

 廃業するも海外でダンジョンに入り続けるのも。

『トウバツタイ』に入るのもありですよ」



「ワタシ マツヨ、イアンニ マカセル。

 キャクヨセパンダ、ナルヨ」


 ちょっと笑った。

 それを見て彼女は満足そう。

 イアンには分からなかっただろうな……。



「では、ミズサクラ。

 記事の写真をお願いします」


 笑顔のイアンと握手するイーチェンは後ろ向き。


 彼女は確かに顔バレしてはいるが、遠くからの動画ばかり。

 顔をはっきり写すのは避けた。

 美人なところが逆にマズい。


 記事の趣旨は……。

『探索者協会日本支部でイーチェンが契約』だ。


 ミソは、『探索者協会日本支部を立ち上げた』のではない事。

 さも、『日本支部』がとっくに存在したイメージを流布する狙いだ。


 イーチェンの顔が出てない事に疑問が出るはずだが。

 イアンが保証するし心配するなという事だ。




 サインを終え、イアンの会社のダミーの社員証をもらう。

 “情報処理部門日本支部”となってる。

 家族に説明するのに使えということだ。


 今まで情報処理のトレーニングのため、毎日ジャージで出掛けていたという事になる。

 うーん、ヘビーな展開だ。


 通訳2人は身内として高給で取り込み、専属扱いらしい。

 連絡の際、役立ってくれるそう。



「ニホン マダ ダンジョン イケナイ、ザンネン」


「あなたたち二人は初日からダンジョンの存在を知っていましたね。

 そして、土の魔法を使えるようです。

 隠している拠点があるのでは?」


 鋭すぎるイアン。

 いや、順序通り考えれば当然だが。

 それをぱっと思いつくのがすごい。


「はい、近くのダンジョンに通っています。

 隠蔽は大丈夫でしょう。

 よかったらイーチェンも……」


「アリガトウ ヨウ!」


「では、その付近に支部、いやアパートメントを……。

 先に調べてから手配しましょう。

 場所を教えてください」



 通訳によると、契約は一応1年。

 別紙に1000万ドルの報酬と、僕達からの契約解除は自由とあるそう。

 その場合でも返金は不要。


 大金持ちの思考はぶっ飛んでいるな。

 いや、信頼してくれているということか。



「2人は今まで通り普通に生活していてください。

 イーチェンは住居が決まるまでホテルで待ってください」


 そして、4台の衛星電話を渡される。


「私もですか?」


「協力いただけますよね、ミズサクラ」


「仕事をするだけですが。

 2人の友人としても動きますけど」



 別れ際に『魔石のエネルギー化』が起こる、と一言イアンに。

 これだけで十分だろう。

お読み頂きありがとうございます。

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