試合っぽいもの
※今日5/14は18:07に続き3回目の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
大見栄を切った僕への反応は……。
通訳が、驚いたのか結構大声だったので全員聞こえたはず。
イアンと秘書らしき人、鑑定係の困惑。
探索者2人はニヤついている、ハッタリと思ったか。
黒い帽子の女性は……無表情だが確かに微笑んだ。
【窃視】で見えた。
イアンが動かない、悩んでいるよう。
僕が先導するべきだろう。
「じゃあ、練習場というか広場があるはずですよね。
行きましょう、イアン・マックスさん。
時間がもったいないですよ」
明らかに練習場、というか試合のできる広さの場所が。
探索者協会、ラノベで言うギルドなら当然か。
地表はまだデコボコがあるが、いちおう広い。
来たのはステ持ち全員と秘書。
全員イアンが雇っているはずだが、通訳は別なのかも。
桜さんもカメラを置いて来た。
仲間はずれにはできないよな……。
「ユーアンミー、シーアンハー、オウケイ?」
探索者2人が試合形式でいいかと言ってるよう。
ゆっくりしゃべってくれている。
「オフコース」
なぜかこのフレーズはよく覚えているので言えた。
二人はまだ何か話している。
武器が持ち込めなかったとかか?
【収納】から大小数種の木剣をバラバラと地面に落とした。
『唯我独尊』で練習できるようコレクションしていた物だ。
少しだけ驚いている、【収納】自体は知っていそう。
イアンや秘書も似た感じだ。
「杖は予備がないけど。ユイはどうする?」
「無しでいいよ」
男、アンソニーと対峙している。
トニーと言われていたな。
僕を怪我させてはいけないと思っているのか。
軽く当てるようなフリばかり。
仕方なくギリギリ避ける。
服は武器修復で直せるからカスッても構わない。
これじゃデモンストレーションにならない。
ちなみに強さは60のまま、通常はこれで通す。
他は600超えのマジステ。
良くて90程度の相手とやっても意味ないな……。
走るか。
もうちょっと起伏があれば跳んだり跳ねたり面白いのに。
一旦ゆっくり下がって、【縮地】で目の前に行く。
あ、これはもうやめとこう。
相手の周りを大きく2周して、目の前で止まって待つ。
やっと、肩の辺りに振り下ろしてくれた。
【受け流し】すると相手の剣が吹っ飛んだ。
あ、やばい。イアンたちの方に。
跳んでキャッチ。
また走って戻って相手の前へ。
剣を首辺りに添える。
ギブアップ、と言ったと思う。
スゴスゴ戻っていくトニー。
続いてユイとエリザベス……リザと言われたような。
魔法当たったら死ぬんじゃ?
氷壁は作れるだろうけど。
「ヨウ、土壁お願い!
アースウォール、で通じたっけ、オーケー?」
「シュアー」
多分いいんだろうな?
厚さ1メートルほどの土壁を2枚作る。
必死の形相で火魔法を打ち込むリザ。
少し陥没する。
ユイは。
(順番に全部いく)
アロー、スピア、ジャベリン一発ずつ壁をつらぬく。
地味だ。
(地味だったんでミニフェルノ!)
壁全面燃えて…僕たちまであっちちち。
【障壁】でかなりマシに。
初めて気づいた、防熱効果。
リザは自分の方の土壁の影に隠れていた。
土壁は消失。
(ユイ魔力は?)
(今ので35消費、杖が無いから10くらい増えたけど問題なし)
魔法は見栄えが良くていいな……。
終わったけど、こんなもんでいいのか?
うーん。
桜さんだけにはすごいインパクトだったよう。
腰が砕けて座り込んだままだ。
「ワタシ シアイ シタイ、ケンシ ツヨイ、ワタシモ」
黒帽子の女性だ。
試合を見るために顔を完全に出していた。
日本語がしゃべれるようだ。
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