本人登場?
※昨日5/13 22:33に続き、今日最初の更新です。
読み飛ばしなきようご注意ください。
走ってきたのは男女二人。
「オーケーオーケー」
手招きに、これなら分かると思ったので思わず言った。
ちょっと恥ずかしい。
すると、なんと彼らが先に歩いて行く。
なんとなくだけど、プロの人じゃあ無いと思った。
「桜さん、絶対撮影しないで。カメラ取られるか壊されますよ」
彼らは反応せずそのまま屋敷に近づく。
いつでも制圧……捕まえる自信があるのだろう。
その間に二人を【看破】、ステを一枚にまとめてユイに送る。
(はい、ステね)
(40ちょっとか。よく短期間で上げたよね)
ジョブで男は“剣士”、女は“魔法士”とあった。
ところどころ僕のように低いけど、ジョブに合った成長だ。
剣士アンソニーは魔力や知力が低く、魔法士エリザベスは物理が低い。
(ヨウ、ステが日本語だね。そういうシステムなんだ!)
(あ、気づかなかった)
扉を開け、入るよう促される。
ここはいわゆるロビーみたい。
男が手のひらを下げる仕草で「ステイヤー」と言った。
多分「Stay here」だろう。
桜さんが床に座った。
記者だから留学経験くらいあると思ってたのに。
真似て座ろうと思ったけどやめた……。
仕切られた奥へ女が入ってすぐにもう一人、いや二人連れてきた。
最後の人、イアン・マックス本人では?!
一応【看破】すると本人だった!
ステ持ち!
2レベル、メチャ低いけど。
もう一人に何か話すイアン。
「あなた方は記者、それとも見学?
たまたまじゃ無さそうだと聞いています」
きれいな日本語。当たり前か、通訳の人だ。
「あ、あの」
桜さんがテンパっている。
「この人は保守系新聞の記者です。
僕たちふたりはあなたに会いに来ました」
「あ、ヨミケイ新聞のサクラといいます。
お名刺を」
桜さんがバッグに手を突っ込むが特に反応はない。
日本の治安等は全員織り込み済みっぽい。
イアンから桜さんに近づき、両手で名刺を受け取る。
日本通?
イアンもポケットから名刺を……。
あれ、ポ○モンカードだ!?
通訳が言ったのは。
「あれれ、間違えたようでごめんなさい」
「君たちは学生ですか?
仕事があるから時間は取れないけど、質問くらいなら。
せっかく会えたので、良い記念になれば嬉しいです」
イアンがニコニコしている。
記者にひっついて尾行するほどのファンだからね。
「記者さんは記事にするんですね?」
「いえ、とんでもないです」
イアンの表情が曇る。
通訳にまた言う。
「ぜひ記事にしてもらわないと困ります。
せっかくのチャンスを逃すのですか?」
意外な言葉に桜さんは目をパチクリ。
「話し中失礼します。
この記者さんはついでで、本当に会いに来たのは僕たちです。
“探索者協会”と日本について大事な話があります」
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