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弱々でごめんなさい~現代ダンジョン物語  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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再転属

「大変大変、“キリ番君”やっちゃったみたい!」

「どうした?

 北村からこっち来るって、槍でも降りそうだな」



 訓練生は昨日送り出したばかりでもういない。

 林が一応出勤して着替え中、北村が飛び込んできたのだ。


 新人が集中しなければ基本、基地内のこのセクションには2人だけだ。


「投入研修だって、唯我(ゆいが)さんのパーティーに」

「どこ情報だ?」

「正式辞令よ!」


 制服にきつそうに腕を通しながら林は答える。


「あのステじゃあ、相当我慢が要るだろうな。

 上がっても知れてるし。

 せめて20レベまで待つべきだがな」


「でも、【突き】一発で先輩を吹っ飛ばしたんでしょ?」


「油断してたんだ、ノーガードだったしな。

 私のステも大体わかってるだろ」



 ~~~~~~



 出勤すると一人だけ呼ばれ、待つよう言われた。


「ふーん、なるほど」

 声に振り返ると、北村さんと林教官だった。

 また【鑑定】されたようだ。


 隠蔽はもちろん出来てるな。



 あ、車が行ってしまった……。

 他の新人全員乗り込んだやつだ。

 置いていかれたというか……。


「またこちらで訓練なんですね?」


「いえ、実地研修が決まったの。

 Cランククラスのパーティーに同行することになるわ」


「急ですまんが、私達も今朝聞いたんでな」


「いきなりCランクとですか!?」


「リーダーがCランクで、メンバーはDもいるわ。

 フォローもできるってことでしょうね。

 実際やらないと分からないけど」


 背筋が凍った。

「実戦、ですよね?

 研修と言っても」


「正式に研修になっているから無茶はしないと思うが。

 安全マージンは取った上でパワーレベリング程度は覚悟だな」



 大型ワゴンが入ってきた。

 間違いないようだ。


 降りてきたのは女性2人だけだった。


 ひょろっと背の高い……剣士か。

 茶髪でちょっと化粧が濃く見える。


 もう一人は身長よりわずかに低い木の杖を持っている。

 背が低くて細身、中高生に間違えられそう。


「コード『唯我独尊』のリーダー、剣士の唯我(ゆいが)です。

 説明はありましたよね?」


「はい」


「私はヒーラー担当の平田です。

『ヒーラーだ ひーらーた ひらた』って覚えるといいですよ」


「今日は邪魔なメンバー3人は休ませました。

どうせやることも無いでしょうし」


「討伐隊ではパーティー名はコードと呼んでるの」

 北村さんからフォローが。


 昨日はコードとか聞かなかったな。

 初心者教習だからパーティーは関係ないのか。


 そして、やはり研修担当は女性か。

 昨日のは特別だったよう。


「唯我、ちょっと話しておきたい事がある。

 浜辺はその間に準備を」


 自分が鎧も剣も持ってないことにやっと気づいた。


 林教官と唯我さん、北村さんと僕はそれぞれの場所へ向かう。

 平田さんが一人、広場にぽつんと立っていた。



「えーと、剣や鎧はレンタルしてもらえるんですね?」

「ふふっ、ここがどこだと思ってるの。

 支給品よ」


 ラノベ世界に毒されすぎている僕だった……。



 ~~~~~~



「彼のレベルやステは正式に聞いてないよな?」

「スキルはデータにありますね。

 他は面倒ですけど尋ねるつもりでした」


「レベルは4、昨日一日訓練で上げただけだ。

 それはいいが。

 体力・強さ・丈夫さの物理要素全てが初期値は7だ。

 いまは1とか2程度上がっているがな」


「なるほど低いですね、剣メインとばかり思ってましたが。

 スキルが良いとはいえ、実地に参加させるとは。

 どういう……」


「そこは察しろ。

 肉体強化が生えるか、20レベ程度までは我慢で頼む。

 そこまで行けば魔法士の道もアリだしな」


「……わかりました」


 林の過去を知っているのか、唯我は静かに答えた。

お読み頂きありがとうございます。

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