協同組合
※今日5/08は04:00に続き2回目の更新です。読み飛ばしなきようご注意ください。
□ 前話にて、某国探索者イーチェンを女性剣士と明記しました。
桜さんが来ている。
「それがね、冒険者、いや探索者だっけ?
その協同組合っぽい物は各国にあるのが分かったけどね」
探索者協会がもうあるものと思っていて調べているよう。
あるのが前提だから、探せないのが努力不足と思ってるのかも。
悪いけどこのままで行こう。
その方が見つかりやすいはず。
「まだまだ積極的にあの穴に入る人は少ないしね、某国以外。
薬瓶以外は換金出来るものが少ないらしいし。
少しは攻略法が広まってるらしいけどね」
「あの国はすごいですよね」
返答は分かっているが、一応聞いておく。
「あの国では、政府というか党に認められるとお金も地位も思いのままだから。
続々穴に向かう人が出てるようね、命をかけてでも」
「イーチェンという人も?」
最初に桜さんが聞いてきたので彼女はもう“本物認定”してある。
「特撮やフェイクと言われてるらしいし。
本人は表に出たくないようね、行方不明よ」
まさかあの能力があれば政府に捕まることは無いと思うけど。
『前回』の記憶には無い。
桜さんとは情報交換を目的に協定を結んである。
こちらの情報は報道しても構わない。
もちろん『予言』については記事にできないけれど。
まだ僕たちの能力については秘密だ。
何かの情報を持っていることだけは確信してもらえている。
今はそれで充分だ。
桜さんは帰ったが、ユイはもちろん残っている。
最初からいたが、口を出さず黙っていた。
「イーチェンっていう人の話、知ってる?」
「ううん、知らない。
動画は前のときも見たけど、その他には興味なかったから。
さっきも『自分も覚えてない』って言いそうになったし。
桜さんには口チャックで正解だった」
「黙って無くても、趣味の話とかならどんどんしていいから。
極端すぎ」
そうだ、大事なことを忘れてた!
「あ、それで改めて確認したいんだけど。
社長の期限は半年だけど、半年過ぎて探索関係の活動するってこと?
それまで貯めた給料を交通費とかにして」
半年だそうだが、『アフれ』とかが起こるのもその頃。
どのタイミングで活動が可能か聞いておきたかった。
「もう! 忘れてたのね。
『事情を話すのが半年先』っていうお父さんと私の約束なんだって。
さいしょに言ったよね?」
もっと早く聞けばよかった。
最初に一言しか聞いてないし、あの時はビックリしたし。
「緊急事態が起きても大丈夫?」
「必要になればサインを出すことにしてるから。
そうなったらあとで事情も話さないといけないけどね」
ユイさんや、かなり説明不足だったと思うんだけど……。
分かってるつもりにならないで、なんでも聞かないとダメだね。
どんなに親しくても。
お読み頂きありがとうございます。
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