清い交際
※今日5/05は03:00に続き2回目の更新です。読み飛ばしなきようご注意ください。
100話到達です!
短めにしているので、50話分かもw
ユイのパパさんは……
ダメだ、緊張で呼び名を忘れた。
「お父上(仮)」にしとこう。
お父上のお名前は有村健二様。
イケオジという言葉が似合う男。
かなり日焼けしている、サーファー?
いやゴルフか。
余計なことばかり考えてしまう、【思考加速】止まれ。
「じゃあ4月7日からよろしくな」
「こ、こちらこそ、おねがい、いたします」
「オホン、あー、ところで唯とはどこまで行ったんだ?
こんなことを聞くのはブシツケとは分かってるが」
「清い交際です!
まだやってません!
神に誓います!」
ユイの言葉と念話によるツッコミが入ったり、その後の記憶はあいまいだ。
お父上の「チュウまでだぞ」という言葉は覚えている。
頑張らなければと誓った気がする。
お母様がお茶を持ってきた時、はっきり意識が戻ったような。
「娘もこの人も、あなたを信じてるから。
しっかり頼ってくださいね」
いいご両親じゃないか。
親バ……娘を大事にしてるというのははっきり分かった。
というか、仕事の話は「よろしくな」の一言で終わった気が。
『半年後くらいまで待つ』
ユイに聞いたこの条件、それだけでいいということ?
念話で聞くとその通りだそう。
結局、正式な入社(?)の約束と、僕のお披露目という事だったよう。
あいさつをして別れ、有村家の玄関を出るとどっと疲れが。
「さすがに緊張しすぎでしょ」
「ごめん、初対面の人はどうしてもね……」
「ヨウってそんな感じするし、分からないでもないけど。
それより、話した通りになってよかった。
お父さんとはだいじょうぶそう?」
「うん、いい人みたいで良かったよ。
チュ……なんでもない」
ユイからチュウしてきた。
ほんの2秒くらいで離れたと思う。
「じゃあね、あと1週間、学校も頑張ろうね」
「えっ、まだ3月初めじゃなかったっけ?」
「あきれた……日程とか確認してないのね。
わたしは両校とも確認したけど。
同じ日卒業式ね」
「ああ、ぼんやり思い出した。
昔スーツも作ったっけ……要るよね?」
「無いよりはあったほうが。
仕事中は作業着だけど、会社支給のね」
別れる前にスマホでニュースをチェック。
・政令で全国の『ほら穴』立入禁止に
昨日から予想してたけど、多分国からのお達しが出たよう。
TVをつけたまま夕食だ。
家族3人揃っているが、話すこともないし。
■ 臨時ニュース ■
ピーピーうるさい音とともに画面に文字。
スウェーデン国営放送が先日発生の洞穴内部映像で未確認生物
を公開。政府は公式にこれを認めると発表。
いまいち表現が分かりにくいが、あのニュースだ。
父は多少驚いていると思うが、いつもの無言。
母は台所で色々やってて見てない。
まあこういうのは地震とかでもないと、どうでもいいのが多いからな。
食べ終わったらネットで見るか。
そういえば桜さんにも連絡しないと。
もちろんユイにも。
お読み頂きありがとうございます。
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