2話目 視力とは何かそれと初めての灰の眼
俺が視力に目覚めたあの後、俺達は直ぐに別の部屋で視力を使い熟す為に色々と説明を受けていた。
夕丸「君が視力に目覚めたと言う事で色々と説明がある。
まず一つ目。視力には大きく分けて三つの種類がある。
水系統を扱える持つ青の視力、炎系統を扱える赤の視力、雷系統を扱える黄の視力が存在する。
因みに今言った色は全て目に反映され、俺はこの通り赤の視力であり、先程自分で鏡を見た通り迅雷君は黄の視力だ。
次に二つ目。君や俺は両眼とも同じ色なのだが、視力に目覚める者の中には左右別々の違う色に目覚める場合や、一つの目に複数の色が目覚め混ざり合う場合がある。
両眼とも同じ色の場合はシングルアイ、左右別々の色々に目覚めた場合はオッドアイ、一つの目に複数の色が目覚め混ざった場合はミラクルアイと呼ぶ。ま、現状ミラクルアイは二人しか確認されてないし、有って無い様なもんさ。
さて、長かったけどここまではいいかな?」
迅雷「はい、大丈夫です。」
説明を一度区切り確認をして来たので、大丈夫だと答える。
夕丸「そして三つ目だ。どの眼のタイプでもそうだが、目覚めた眼にはちょっとした能力が宿る。
例えば、俺の場合は身体のどこからでもこうやって炎を自在に出す事が出来る。こう言った感じの能力が眼に宿る。」
迅雷「うおぉぉぉ〜!!スッゲェ!!」
夕丸さんが試しに視力の効果を実際に見せる為、手から炎を出したり脚全体から炎を出したりする。
夕丸「最後に四つ目。視力に目覚めた事で自身の眼で直接灰の眼を見る事が出来る様になった。」
迅雷「灰の眼?でも視力はさっき青、赤、黄の三種類しか…」
夕丸「そう、三色ある内のどれでもない四つ目の色だ。
因みにだけどね、ほぼ確定と言っていい。その灰の眼が、君のお父さんを殺し、君のお兄さんを連れ去った正体なんだ。
因みに先の言い方で分かる通り、灰の眼は視力に目覚めてない者は見る事が出来ない。
それで厄介な事に灰の眼と言う奴等は圧倒的な力持っている。視力が目覚めた者でも、奴等を捕らえる事は非常難しい事だ。」
迅雷「灰の眼が、父さんと兄貴を…!それなら!何か弱点となる場所とかはあるんですか?」
俺は夕丸さんの情報で一気に怒りが湧いて来るがそれを無理矢理押さえ込み、弱点となる部分を聞く。
夕丸「弱点かぁ…それなら胸部の中心にコアがあるからそこだな。まぁコア部分以外の攻撃も効きはするけど、あまり意味が無い。100回程度やって漸く1回分の攻撃になる。非効率だから止めといた方が賢明だね。
さてと、それじゃあそろそろ訓練始めようか。」
少し悩んだ後、胸部の中心辺りを指差す。
そして説明が終わると立ち上がり、訓練を始めると言い出す。
迅雷「はい!よろしくお願いします!で、何するんですか?」
夕丸「ん?言ってなかったっけか。でも簡単だよ、俺と戦う。それだけ。勿論手は抜くから安心しな。」
迅雷「分かりました!因みにどれくらいやるんですか!」
夕丸「そうだね〜…長く見積もってざっと五年くらいかな?」
迅雷「ご、五年!?マジっすかそれ!もうちょっと短くならないんですか!?じゃないと兄貴が…!」
五年と言う長過ぎる期間に俺は驚く。
夕丸「出来るよ?ただそれは、君の頑張り次第だ。君が頑張ればその分早く終わる。
さ、お喋りはこの辺にで終わりにして、ちゃっちゃと行くぞ〜!ほ〜れっ!」
そう言って背面から炎を出し、急加速して来た夕丸はその勢いのまま座ってる俺を蹴り上げてくる。
俺はそれを…
迅雷「うがっ!!」
避け切れずにモロに食らった
迅雷「もっと優しくお願いしますっ…!!」
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あの日から三年半が経ち、色々とあった。
その中でも大きいのが、俺の視力に宿った能力。
それは、自身の肉体を電気へと変換すると言う能力だった。最長で3分間で、それ以上経つと勝手に身体が通常の肉体へと戻る。
ただ、肉体を電気体へと変換出来るお陰で、身体への負荷が無くなりらその気になれば音速以上の速度で移動出来る様になった。
そして能力が分かってからはひたすらに夕丸さんとの勝負の日々だった。
今日も戦いの時間になり夕丸さんがやって来る。
夕丸「さて、迅雷和馬くん。今日も元気に戦いましょう!と行きたい所だが、今日戦うのは俺じゃない、灰の眼だ。更に今回はこの人と一緒に外に出て灰の眼と戦う事になったよ!」
そう言うと横に退き、後ろから夕丸さんよりも真っ赤な眼をした人が出て来る。
焔「焔火依だ。よろしく。」
迅雷「はい、よろしくお願いします。それで、灰の眼と戦うって?」
夕丸「ん?そのまんまの意味だよ?」
迅雷「いえ、そうではなく、五年はまだ経ってない筈ですが…?」
夕丸「あぁ、その事ね。なに、単純に戦力不足だ。視力の覚醒者はとても低いからね、猫の手も借りたいのさ。
それに加えて、ずっと追っていた灰の眼を一体だけだが漸く見つけられたからね、このチャンスを逃す訳には行かないのさ。」
迅雷「成る程、了解しました。」
焔「話は終わったか?俺は前振りと言うのが苦手だ、行くぞ。」
迅雷「はい!」
夕丸さんの説明を聞いて俺は了解した。
そして焔さんに続いて路地中にある屋敷を出た。
夕丸さんの説明を聞いて俺は了解した。
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屋敷を出て数時間走り目的の人物を見付ける。
夕丸「見つけた、アイツだ。間違いない。それじゃあちゃっちゃと行くぞ〜!」
迅雷「はい!って、もう行っちゃった。」
焔「お前も行くぞ。」
迅雷「あ、はい。ってなんですかそれ!?」
焔「知らないか?電動のネイルガンだ。ちょっとした改造はしてあるがな。」
夕丸さんがそう言うと手足から炎を噴射して猛スピードで灰の眼へと突っ込んで行く。
すると焔さんが何処からか電動ネイルガンを取り出して、そこに釘の束をセットしていく。
焔「この"物"を依代とする!はぁっ!」
灰の眼「がぁぁぁっ!なっ、なんだ!?」
夕丸「ジェット・パンチ!」
灰の眼「ごはぁっ!!」
そう言うと電動ネイルガンと釘が炎で包まれる。
そしてそのまま灰の眼へとネイルガンを向け釘を飛ばす。
すると、本来ならば有り得ない速度で、炎を纏った釘が発射された。
そこに夕丸さんが追い討ちで炎の噴射で急加速した火炎を纏ったパンチを放つが、まだ倒れない。
迅雷「なんすか今の!?ネイルガンってあんな速度でましたっけ!?」
焔「俺の視力の効果だ。対象の物に含まれる価値やエネルギーに応じて炎で強化出来る。
元々電動だからそこそこのエネルギーを持ち、改造も施してあるからかなりの価値もあるからな、視力で強化すれば最高時速300キロは出る。
更に釘の方もただの釘じゃなく、最低でも5tの負荷には耐えれる特殊合金で作られてる。
お陰で圧倒的な貫通性能があり、そんじょそこらの金属やコンクリート程度では止まらなくなってる。あと、当たれば燃えるオマケ付きだ。」
迅雷「ひぇ〜…おっかねぇや…」
夕丸「ジェット・キック」
灰の眼「うぼぁっ!!」
迅雷「おっと、そろそろ俺も行かなきゃ、ねぇっ!!」
焔「なっ!?速い…!」
灰の眼「ぐはぁっ!!」
夕丸さんの炎の噴射による急加速の蹴りを食らわせて体勢を大きく崩す。
そこに俺が電気体へと変化し、ほぼ瞬間移動の様なスピードで移動し、その勢いのまま思いっきり殴る。
が、よく見ると攻撃を受けた部分から直ぐに再生されて行く。
それに殴った感触がまるで鉱物並みに硬い。
迅雷「硬すぎんだろっ!!」
灰の眼「くそっ、さっきから何度も何度も…!イテェじゃねぇかよぉっ!!」
焔「お前に攻撃させる暇は与えん!」
迅雷「雷脚、二連!」
俺が思わず悪態を吐くと、灰の眼が攻撃をしようとするが焔さんの釘の射撃で行動が一瞬止まる。
そこに俺が一瞬の内に同じ箇所を二度蹴り畳み掛ける。
灰の眼「ぐぅっ!?まだだぁっ!!うおぉぉぉっ!!」
迅雷「夕丸さんっ!」
しかし、今の俺の攻撃でも少し怯む程度で強引に夕丸さんへと迫る。
夕丸「大丈夫だよ、寧ろ離れてて!最大出力、ジェット・バーナー!」
灰の眼「ぐぁぁぁぁぁっ!!」
夕丸さんは炎の噴射て宙へと浮上して距離を取り、両手を合わせて花の様にして灰の眼へと突き出す。
そして少しの溜めの後、そこから超高温の炎が凄まじい勢いで放たれ、灰の眼とその周囲が一気に炎に包まれる。
俺はと言うと、夕丸さんの言葉を聞いて焔さんを抱えて離れると、焔さんの安否を確認する。
迅雷「焔さん、大丈夫ですか!」
焔「あぁ、心配無い。と言うかお前、とんでもなく速いな。」
迅雷「まぁ、速さしか無いんですけどね…ハハハ…!」
焔さんに速いと言われるが、寧ろ現状速さしか取り柄が無いので苦笑いが出る。
迅雷「そろそろ戻りますか?」
焔「そうだな、その方がいいだろうな。」
迅雷「了解です!じゃあ離さないで下さいね!」
焔「あぁ、分かってる。」
迅雷「じゃあ、行きまーす!」
こうして焔さんと俺は、夕丸さんと灰の眼の居る元居た場所へと戻って行った。