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僕、チート能力がないんですが  作者: 佐神大地
異世界に転生しました
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街で買い物をしよう(後編)



次に俺は防具屋に向かった。

防具はとっても重要だ。

なにしろ僕の命にダイレクトに関与してくる。

昨日、キラータイガーに出会った時に実感した。

キラータイガーの咆哮で僕は吹き飛んだ。

あれは威嚇だったが、もし攻撃なら僕は死んでいたかもしれない。

僕にはチート能力はないので、防具くらいはいいものを揃えたい。

幸いにも昨日、大量のお金を貰っている。


「いらっしゃいませ。どのようなものをお探しでしょうか」


店に入ると笑顔のよく似合う女性の店員が出迎えてくれた。

防具屋は武器屋と違いあまりものを展示していなかった。


「すみません。どんな防具があるんですか?ちょっと、自分ではよくわからなくて。」


僕の質問に店員が一瞬、困惑顔になるが、すぐに笑顔に戻ると説明を開始してくれた。


「そうですね。お客様の体型だと重い金属系の鎧はお勧めできません。おそらく、動きずらいため逆に危険になると思われます。したがって、皮鎧をおすすめします。」

「皮鎧ですか?」


僕が怪訝そうな顔をすると、女性店員はやれやれといった顔で説明をしてくれた。


「皮鎧は金属鎧と比べ防御力が落ちるため、金属鎧の劣化版と揶揄されることもありますが、実際には違います。先ほどもいいましたように、皮鎧は軽いため行動の制限を受けずらくなります。また、高価なものになりますと、上質な素材と付与魔法(エンチャント)により防御力が大幅にアップし、その辺の金属鎧と比べても大変性能が高い商品が数多く揃っております。」

「へえ、すごいんですね。それじゃあ、皮鎧で良さそうなのを見せてもらってもいいですか。」

「すみませんが、ご予算はいかほどでしょうか?」


予算?

そういえば、考えていなかったな。

魔法鞄(マジックバック)の中にはまだ2000000ゴールドぐらい入っている。さすがに全部とはいかないがかなりの金額を使うことは可能だ。


「あの、ちなみにこのお店で一番高いやつはいくらなんですか?」

「一番高い皮鎧ですか。・・・そうですね。レッドドラゴンの皮で作られた皮鎧が15000000ゴールドで販売しております。高い防御力と耐火性能、さらには毒、マヒ、眠りなどの状態異常にも高い耐性を誇る当店の目玉商品です。」

「15000000ゴールド!?」


ど、どうやら、一流の冒険者にとって2000000ゴールドなどはした金の様だ。

防具に10000000ゴールド以上を出せる人がいるのだ。


「さ、さすがにそれは無理ですね。それじゃあ、1000000ゴールド前後だとどんなのがありますか?」

「1000000ゴールド前後ですか!そ、そうですね。キラータイガーの皮鎧が800000ゴールドですね。耐性はありませんが、高い防御力を誇ります。後は、イエティの皮鎧が750000ゴールドです。防御力は少し落ちますが、耐冷性能があります。ただ、この周辺では冷気を使った攻撃をするモンスターがいないのでお勧めはしません。」


キラータイガーか。

この値段を考えると、1匹があの値段で売れたのも頷ける。

たぶんこの鎧もいい物なんだろうけど、防御力が高いだけの鎧だとなんか物足りない気がする。


「他にはないですか?」

「まあ、そうですよね。流石にこの価格帯だと手が出ないですよね。もう少し低い価格帯を」

「いえ、もうちょっといいのはないですか?」


僕の言葉に店員の顔が引きつる。


「もっと良い商品ですか。・・・それではホーリーカウの皮鎧などはどうでしょうか?価格は1300000ゴールドと少し張りますが、キラータイガーに負けず劣らずの防御力と聖属性を持つ鎧です。」

「聖属性?」

「申し訳ないですが、我々の鑑定では聖属性と言うこと以外、効果がわからないのです。そのため、属性持ちの鎧としては格安となっております。」

「ちなみに効果が分かっているとどのくらいの値段なんですか?」

「効果にもよりますが、1500000~2000000ぐらいでしょうか」

「見せてもらってもいいですか。」

「はい、それは構いません。」


店員はそういうと奥から白い皮鎧を持ってきた。

とても美しい鎧だった。

シンプルなデザインだが、それがとても気に入った。

後は聖属性の効果だ。

流石に聖属性でマイナス効果ということはないだろうが、自分に合わない高価だと、意味がない。


「あの、鑑定してみてもいいですか」

「鑑定ですか。別に構いませんが、聖属性の内容はよほど高位の鑑定でないと分からないと思いますよ。」


店員の許可が下りたので鑑定を使用してみた。


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ホーリーカウの皮鎧


防御力はレッドドラゴンほどじゃないけど、結構高いよ!

聖属性についてはできれば秘密で

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鑑定さんは相変わらずだった。

僕は試しにもう一度、鑑定してみる。


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しつこいなあ、わかったよ。


聖属性付与

闇属性耐性

常時体力微回復

回復料増加(微)

チート能力ですよー

普通で買ったら3000000ゴールドくらいかなー

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鑑定できてしまった。

この鎧、どうやらすごいチートアイテムのようだ。

そして、どうやら僕の鑑定スキルはチート級のようだ。

性格に難はあるが・・・。


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ふざけんなよ!

誰の性格が悪いって?

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僕が呆れていると、店員が話しかけてきた。


「どうやら、鑑定できなかったようですね。どうします。購入されますか?」


どうやら店員さんは僕が鑑定さんに呆れているのを見て、鑑定できなかったと思ったようだ。

いやいやいやいや。

どう考えてもこの皮鎧は買いでしょう。


「買います」


僕がそう答えると店員さんはびっくりしていた。

まさか子供の僕が1300000ゴールドも払えるとは思っていなかったようだ。


「毎度ありがとうございます。これからもエルブライト商店を御贔屓にお願いします」


店員さんはそう言ってお辞儀をしてきた。






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