楽しい日々が続きます。
一人になって、息をつくと、安堵と、幸福感に包まれ、涙が出てきた。最近は泣いてばっかだ。安心して布団に戻るとメールが来ていた。開いて見るとかけるさんからだった。
昨日のお礼と、さっそく明日、一緒に本屋に行かないか、という内容だった。日曜日に出かけるなんて、デートのようでドキドキする。今のうちに十分楽しんでしまおう、という、ずるい魂胆が浮かぶ。いいですよ、一言を返すだけで、何度も文面を見直した。これが人を好きになる気持ちか、と実感する。なんて素敵な感情なのだろう。一人で少し、舞い上がっては、半年先を考えて、悲しい気持ちになった。
なるべく楽しい思い出が残るように、たくさんかけるさんを楽しませてあげようと思った。
毎日があっと言う間に過ぎ去って行った。毎日、会えない日でも、メールや電話をするだけで、幸せでいっぱいになっていた。かけるさんのことを考えているすべてのときが、幸せでしょうがなかった。かけるさんの笑顔が大好きで、かけるさんの喜びそうなこともたくさん考えた。
仕事がお互いはやく終わった日は、本屋に行ったり、一緒にご飯を食べて過ごしたし、休みの日も、一緒に買い物に行ったり、映画を観に行ったりするようになった。
身だしなみも、それなりに気を使うようになった。かけるさんのタイプの女性になりたくて、中村さんにアドバイスを受けながら、おしゃれというものをするようになった。生まれ変わって人並みになれた気がして、嬉しかった。
何度かかけるさんから真剣な交際の申し込みがあったが、その度にやんわりと避け続けていた。中村さんからは、半年先のことなんてわからないから付き合えばいいのに、と言われていたが、かけるさんの嘘の愛情を利用して、そんなこと、できなかった。中村さんには随分いろんなことを相談した。本当の友達のようにまでなっていた。中村さんは、かけるさんのことを話すとき、寂しそうな、悲しそうな顔をしていた。何を思い出しているのかは、聞くことができなかった。