翌朝
2日目
私は朝から紅茶を淹れていた。勿論、二人分のね!笑
香り立つニルギリのロイヤルミルクティーを。
それを2つのマグカップに注ぎリビングのテーブルへと運ぶ。
「おはよう。」
「うん、おはよぉおう。」
ふふっ妖精さんの要は朝に弱いようで、緩い返事が返ってくる。
それすらも愛おしく思えて、私の心は満たされる。
いつも部屋で独りでパスタを食べて、時々吐いたりなんかもしちゃってたから、
ここに誰かがいる、それだけでとても嬉しく思える。
「良い香り。ニルギリのロイヤルミルクティーだね?」
「あれ?よく分かったね。紅茶に詳しいの?」
「そうじゃないよぉ。ミツバちゃんの考えることもしてることも何だって僕は知っているよ。
昨晩寝言で言っていた可愛い一言もね!」
紅茶を飲んでようやく目を覚まし始めた要はちょっぴり恥ずかしくなる様なことを嬉しそうに喋る。
なんて言ってたんだろう、なんて、聞いても良いのかな?
久々に人と会話を交わすせいで、会話の段取りとか、間とか、TPОとか、色々忘れてしまっている自分に気がついた。
「えへへ…、聞いてもいいんだよ?」
「ふぁっ!?やっぱり分かっちゃうんだ!?」
「うん、神様ありがとうって言ってたよ。」
なんて、平然と言ってのける要の表情は軽くドヤ顔で。
本当に分かられてるなんて恥ずかしいなと照れる。
でも神様ありがとうって、夢の中で会った神様に感謝して発した言葉をそのまま寝言で喋ってたんだ…。
「そっか。」
こっぱずかしくて素気ない態度を取る。
「ううん、神様のお陰でミツバちゃんのもとへ来られたんだもん、感謝してくれて当たり前だよ!」
「うーん、確かにね。要、来てくれてありがとうね。」
なんてカップルみたいな会話を紅茶を飲みながら交わす朝。
今日は特別に気分が良かったので、カーテンを開いていたから、外からは爽やかな黄色い光が差し込んでいた。