ここで自己紹介です。
ああ、なんでこんなことに。
とりあえず一旦家に帰り、家にいない次兄の服を借りることにした。
ヤツにとっては小さいだろうが仕方ない。
「あと、ブーツか」
王様の家来が履くようなブーツなんてもんは、この村にはない。
町に出ればあるのだろうが、今から行っても帰ってくる頃には夜だ。
大体足のサイズすら知らないのにブーツなんて買えない。
「仕方ない、兄さんのサンダルも借りよう。これなら多少サイズが違っても大丈夫でしょ。」
私はヤツが家に来る前に急いで粉引き小屋まで戻った。
「ブーツじゃない。」
「いや、サイズもわかんないし、この村にはあなたの言うような立派なブーツは売ってないよ。」
サンダル見つめてないで、先に服を着ろ!
私は持ってきた兄さんの服を渡す。下着は流石に新品を借りてきた。
「ふむ。」
ヤツは仕方ないと言わんばかりに頭をふり、服を来はじめた。
ふぅ、やっと落ち着いて話できる。
真正面から観察すると、やはりかなり背は大きいようで兄の長袖のシャツは七分袖ぐらいになっているし、ズボンにおいてはふくらはぎまでしか覆われていない。田舎の少年のようだ。
多分190センチ近くのあるのだろう。
髪はブロンド、少し癖があるのかふわふわしていて、背中ぐらいまである。
目は濃い青、切れ長の目だ。鼻筋が通り薄い唇が今はきゅっと結ばれている。なかなかの美青年だ。服を着ていれば。
「ではブーツを買いに行こうか。」
「待って待って!」
私の手を引いて外に行こうとするヤツを必死で止める。
「なんだ、もう服も来ているしいいだろう。」
「あなたは一体誰なんですか!?私あなたのこと知らないですし、いきなり裸で現れてブーツをくれってなんなんですか!」
言ってやったぞ!
なんで私がそこまでヤツに関わらないといけないんだ!
「俺の名前はルドルフ。お前を幸せにするためにここにいる。ジーナが俺の主人だ。」
あー、前半しかわからん。ルドルフ?猫と一緒の名前?