脅されました。
はやくしろ、と言わんばかりに私に向かって手を出してニギニギと動かした。
「ゃ、あの」
「買ってくる、金を。」
その前に服だろぉがぁぁ!このど変態が!!
「その前に服を着ないと、捕まっちゃいますよ。」
「ふく?」
男は目線を下にして自分の体を見つめる。
前をかくせぇぇー!
「服はあと。」
「先だ!!」
思わず声をあげてしまった。服より先にブーツってあんた。
「ではお前の来ている服をくれ。」
何で!入るか!入ったとしても誰がやるかぁ!このど変態が!!
心のなかでは悪態をつきながら、出てくる言葉は弱々しい
「いや、無理です」
「だったらどうすれば?」
しるかっっ!
「そうだ、ジーナが買ってきてくれ。」
なんで私がそんな事を。
はっ、でも買ってくる口実にこのど変態から離れられる。
「あ、はい。」
私はこのチャンスを逃がさない。
「お金は?」
念のため聞いてみる。
「ない。」
ですよねーー!
全裸だし、お金隠すとこもないもんね!
聞いてはみたけど私が出すのか。いやもう戻ってきませんけどね。
「じゃ、行ってきます。」
くるりと回ってドアへ向かう。
「もし戻ってこなければ、お前の家にこのまま行く。」
オーノー!
なんで家を知ってるの??!
ど変態の上にストーカー!?
私と分かっててこんなことを?
そういえば、名前教えてないのにジーナって言ってたし。
怖いっ!
凄く怖い!!
流石に全裸で撃ちにこられたら間違いなく私が追い出される。
変態の知り合いはイランとか言われる!
「必ず、戻ります…。」
私はなけなしのお金を握りしめドアを開けた。