求職中です。
とりあえず町に出てみることにした。
私の村からは乗り合い馬車で2時間ほどだ。
運賃はかかるが仕方がない。
町は王都に向かう街道沿いにあり、ここからさらに各所へと街道が伸びていく。
だから物も人も多く行き交い、活気がある。
「ここならきっと仕事があるはず。」
にゃう!
何故かルドルフもついてきた。
色んな店が出ている。
仕立て屋、家具屋、帽子屋、八百屋に、肉屋…
出来たら住み込みが有難い。
まずはやったことのある仕事から声をかけてみる。
「…はぁ」
ダメだ。
全く。箸にも棒にも引っ掛からない。
何がダメなんだろ。
初めは何件かの食堂に声をかけたが、今は手が足りてるとか、望んだ分の給金がでないとか、最悪なのは見た目が地味だからと言われたこと。
確かに地味だけど、一生懸命さでは負けないし、仕事はちゃんとできるわぁ!バカにすんなぁぁ!と言いたかった。言わなかったけど。
あとは片っ端からお願いした。
けど全滅…なんで?タイミング?
とぼとぼと歩いて行くと、どこからかルドルフが出てきた。
途中まで一緒にいたのにふらっといなくなってた。
にゃあ
「ルドルフぅ、ダメだったよー!全部。10件ぐらい回ったのになんでぇ?」
ルドルフを抱き上げてぎゅうっと抱きしめた。
にゃぐぅ
頭をぺしぺしと叩かれた。
「あ、苦しかった?ごめんね。」
手を離すとルドルフはブンブンと尻尾を振った。
あ、ちょっと怒ってるね。
でもにゃんこパワーで癒された。
よし、明日も頑張ろう!
明日はやったことない仕事でも探してみよう。