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泣かされました。
辺りはすっかり夜の帳が降りている。
空気は昼間より軽くなり涼しく感じる。
泣きすぎた…。
あれからルドルフの胸を借り泣きに泣いた。
最初は悲しみから、そして最後はこの状況に追い込んだ兄や父たちに対しての怒りで。
でも、
「なんか、すっきりした。」
もやもやがすぅっとなくなったみたい。
泣いている間はルドルフは背中をポンポンと優しくたたいたり、撫でたりしてくれていた。
泣きすぎて腫れたであろう目をルドルフに向ける。
ルドルフは椅子に腰掛け、優しい目をして私を見ていた。
「っ!」
私は急に恥ずかしくなって、顔をそらせる。
「ジーナ」
先程と変わらない声色なのに、何故か優しく感じてしまう。
シンと静かな田舎の粉引き小屋で、私の心臓の音だけがやけに響く。
「ジーナ、帰らなくていいのか?」
話し掛けても返事をしないわたしにルドルフはそのままつげる。
「あ、うん。もう帰る。」
私は夜空の星を見上げ、瞬く星を、ルドルフの瞳のように感じながら家路についた。