表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブーツをはきたい猫  作者: いちもも
11/12

気が抜けました。

なにこれ…

暖かくてふにふにしてて、時々唇をはむはむと啄まれる。

まるで何かを食べるように。


目の前にはイケメンのドアップ。

毛穴とか全然ないなー。

まつ毛ながー!


「よし。」


はっ現実逃避しちゃってた。


「なっなにすんのよ!!」


はっ初めてだったのにぃ!

絶対好きな人とするって、そう思ってたのに!


「なにとは?精気を摂取していただけだが。」


どこが悪いの?と小首を傾げるルドルフ。

くっカッコいいだけじゃなく可愛い!が、私は怒っている猛烈に!!


「これから毎日精気を貰う。」


毎日…


「これが俺の食事だ。」


あぁ、なんてこと!

ありえない!!


「私のファーストキス…が。ルドルフの食事なんて。」


と言うか、セカンドもサードも間違いなくルドルフだろう。

乙女の純情をなんだと思ってるんだ!

あ、食事か…


「泣いてるのか?」


「え?」


私は頬を触ると濡れていた。

知らぬ間に泣いてたんだな。


思ったよりショックだったみたいだ。


「どうして泣いてる?どこか痛むのか?」


ルドルフが指の腹で私の涙をぬぐい、抱き寄せる。

目の前にはしっかりとした男の胸で背中には腕がまわされる。

お日様の匂い。


「大丈夫だ。」


「だっ大丈夫って!あっあんたがキスするからっ」


背中に回った手のひらでとんとんとされる。


「ジーナ泣いてなかっただろう。」


「えっ」


「コーナーが亡くなってから泣いてないだろう。」


コーナーは父の名前だ。

あまりに急に亡くなって、あっという間に遺産整理とか始まって、住むとことか、仕事とかそっちばっかり気にして。


そっか、気張ってたんだね、私。


「泣けるときに泣いとけ。」



背中の手が心地よくて、私はルドルフの胸にすがって泣きまくった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ