--序章--
初投稿初連載になりますので、評価はお手柔らかにお願いします。
次はいつになるか分かりませんが、出来るだけ早めにはしたいと思っていますのでお願いしまっす。
これは、今の時代とはちょっと前の、ちょっぴり血の味がする恋のお話
-‐-世間一般的に「吸血鬼」というものは怪物として人々に恐れられている。夜だけ活動し、驚異的な身体能力も持ち、人の生き血を吸う怪物・・・
しかし、私たちの一族は何があってかその「人々」に仕えている。それは、私たち一族に具わっている、いや、「具わってしまった」能力のせいである。私たちの一族は、「聞心鬼」と呼ばれている。その名の通り、「血を吸った相手の心の声が相手が死ぬまで聞こえる」という能力を持って生まれた吸血鬼である。そして、稀に、その心の声に干渉することが出来る能力が宿るものも居る。私もその一人だ。これを知っているのは極僅かの人間、「偉い人」達だ。私は別に人間に興味がないので、その「偉い人」達がどういう役職で、どのような仕事をしているかなんて知ったこっちゃない。ただ命令に従っていくだけだ。死ぬまで。もし私が命令に反抗することがあるならば、それは「心暴」を引き起こしかねない状況になった時だけだ。「心暴」とは、一定量以上の人間の感情が入ることにより、その負荷に心が耐え切れなくなり、人間で言う「廃人」と呼ばれる状態に陥ることだ。死ぬ事に恐怖はないが、「生きた屍」になるのだけは勘弁だ。まぁ、兎にも角にも、私にはそれなりに平穏な日常が続いていた。---そう、あいつが現れるまでは・・・