ストーカー
「ピンポーン」
「はーい」
「あ、毎度どうもー、ストーカーの田中です」
「またあなたですか!今度来たら警察呼ぶって前回言いましたよね!?」
「いやぁー、しつこいのは重々承知なんですけど、まだ言ってないことがあったなぁと思って」
「なんですか!?」
「私、家事できるんです!!」
「ああ、そうでしたか。じゃあ中へどうぞ・・・ってなるわけねーだろ!」
「でも男性の一人暮らしは何かと不便じゃないですか?」
「お前が闖入したほうがもっと不便じゃ!それ以前に何をアピールしにきてんだよ!マヂで警察呼ぶからな!」
「 待ってください!!」
「何だよ!?」
「私、ガッキーに似てるってよく言われるんです」
「ほう、あなたの度重なるストーカー行為を目の当たりにして、友人及び人間の知り合い一人もいないのは確定なのに、まだそんなことを宣いますか?」
「本当なんです!街を歩いてるときにガッキーだっ!て言われたような言われてないような、自分以外の人間が歩いていなかったようないたような」
「要はガッキーとは言われおらず、脳内で言われたということですね。ていうかなんでガッキー引き合いにだしてんだよ!」
「だってあなたの携帯の待ちうけも、トイレに飾ってあるポスターもガッキーじゃないですか」
「お前洒落にならんレベルのストーキングしてくれてんな! あーもうマヂ警察呼ぶ今すぐ呼ぶ!」
「まだこの程度じゃ民事不介入段階なんで、警察は動いてくれませんよ」
「なんちゅう忌々しい知識を持った変態なんだ・・・。じゃあこっちも実力行使にでるぞ!いくらなんでも腕力で俺に勝てると思うなよ!」
「確かに腕力ではあなたには絶対勝てないです。でもこういうときのために、大東流合気柔術の段をとりました」
「もうストーカーとかしないで真っ当な生活送れよ!その努力を他の方向に向けてくれよ!」
「だってあなたが危険な時誰が助けるんですか?」
「今がその危険な時だよ!そんで相手はお前だよ!」
「ピッキングも覚えたのでそろそろ中に入りますね」
「うぁああああ、包丁!包丁!包丁どこだー!!!!」
「ようやくお互い顔を合わせられましたね」
「・・・・・・・・・・・ガッキーそっくりだね」