表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

先輩って本当に気持ち悪いですね

作者: モグぅ
掲載日:2025/11/15

放課後の廊下で、高嶺美緒(たかねみお)を見つけた瞬間、俺は反射的に柱の影に隠れた。


「デュフフ…」


あの子は今日もかわいい。

あの子は見た目も声も全てにおいて完璧。

あの子が髪を結ぶ仕草だけで、俺はご飯を大盛り三杯は食べれる。


「はぁー美緒、今日も天使だ」


うっかり口に出してしまった瞬間、


「聞こえてますよ」


後ろから冷たい視線と声が落ちてきた。

振り向くと、いつの間にか美緒が腕を組んで立っていた。


目が笑っていない。


「あ、あのですね、美緒様。その…本日はお日柄もよく…」


「言い訳が気持ち悪いです」


はっきり言われた。

でも、それがたまらない。


「デュ、す、すまん…でも本当に、今日のポニーテール、めっちゃ似合ってるよ。いやー似合ってるどころかその、もう、尊いっていうかー」


「先輩、褒め方も気持ち悪いんですけど。語彙選んでください」


美緒はため息をついて歩きかけ、ふと振り返った。


「で、本当に何の用だったんですか?」


「い、いや、特に用はないんだけど…美緒の後ろ姿を見かけて、ちょっとついて行こうかなって」


「つけないでください」


そう言うと、美緒は少し早歩きになった。


俺は慌てて追いかける。


「ちょっと待ってくれ!俺、本当に怪しい者じゃなくてだな、美緒のことが好きで好きで」


「だから気持ち悪いって言ってるんです」


「でも…好きなんだよ。美緒の歩く速度とか、筆圧とか、字の癖とか、靴底のすり減り方なんかも―」


「観察しすぎですっ!」


美緒が振り向いて、顔を真っ赤にして叫んだ。


「そ、そんな細かいところ見ないでください!怖いんですよ!気持ち悪いんですよ!あと、知らないうちに…そのっ、好きとか言わないでください!」


そこまで言うと、美緒は俯いて小さく震えた。

怒ってるわけじゃない。照れてるのがわかった。


(デュ、デュフ…)


ああ…この子、可愛すぎる。


「ご、ごめん。でも、本気で好きなんだ。美緒が嫌がることは絶対にしない。だから、ちゃんと向き合わせてほしい」


少しの沈黙。


やがて、美緒は悔しそうに、でもほんの少しだけ微笑んだ。


「ほんと、先輩って……」


そして、呟くように言った。


「先輩って本当に気持ち悪いですね」


そのくせ、言ったあとそっと俺の袖をつまむあたり、本当にこの後輩はずるいと思う。


「デュフフ」


「きも」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ