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生きる為

 王様との謁見を終え、僕たちは食堂へと案内された。

 僕は何回もステータスを確認しているが特に変化は無く、スキルなしの状態が続いている。


「誠人、飯でも食べて元気出せって!」


「そうだ!わたしがマコトくんにご飯食べさせてあげるよ!」


 そう言って二人は僕の為にご飯を取りに行ってくれる。まともに返事をしてない僕に、いつまでも俯いている僕にここまでしてくれる皆に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。なんで僕は...


『おーっす!何泣いてんだ?坊主!』


 ドカッと隣に座り肩を回して来たのは汚い印象を受ける赤黒い髪の毛を高いところで一つに纏め上げた掴みどころの無い印象を持つ男であった。


『何があった坊主!誰かにいじめられたか?大切な剣を折っちまったか?それとも家に帰れなくて寂しいのか?』


 その言葉に体が少し反応してしまう


『ほぅ?家に帰れなくて寂しいのか!うわ!お前いい年してんのに寂しいのかよ!ハハハッ!』


 指を指されながら笑われて少しイラっとする。

 貴方に僕の何がわかるって言うんだ!


『そう怒んなって、それにしても家に帰れねーだけで寂しいのかよ!ハハハッ!』


「なんなんですか貴方、いきなり人を馬鹿にして!」


『だから怒んなって、俺か?俺はここの...騎士もどき?』


 なんで疑問形なんだこの人...しかも騎士ですら無いのかよ!


『まぁまぁ、な?折角なんだ俺になんか奢ってくれよ、相談くらいなら聞くぜ?』


 本当になんなんだこの人は...人を馬鹿にする乞食とか質が悪すぎる。


「僕はここの人間じゃないので奢ることなんて出来ません、どっか行ってください!」


『まぁまぁ、相談してみろって。坊主は何で寂しいんだよ?帰れねーだけじゃねーか。』


「違う!僕はこの世界に勝手に来させられて魔王だ勇者だ言われて、家族にも会えなくて家にも帰れなくて、学校も心配だし将来の事だって、他にも...」


『ふーん、軽いじゃねーか』


 か、軽い?いや、全部大事な事だ!軽いことなんて一つも...!


『お前マジでかりーよ、お前が今考えた事は全部今直ぐどうにかできる問題じゃない!!!』


「そんなの言われなくたって、、、」


『じゃあなんで今考えんだよ?考えたって無意味だろ、お前バカなんか?』


「そんなの言われても考えるなと言う方が無理でしょ!むしろ考えない方が馬鹿なんじゃないですか!!!」


『じゃあお前は後三年間それだけ考えて過ごすのか?お友達が命張って戦ってるに学校の心配か?』


 僕はその言葉に何も言い返せない。正論だ、


「...」


「あーっ!マコトくんが不良に絡まれてる!」


 その言葉に海が駆けつけて騎士もどきを睨みつける。


「何してるんですか、返答次第では...」


『なんもしてねーよ勇者様、それじゃそろそろお暇としますかね。また会おーぜ坊主、その時までに踏ん切りがついてる謁見を終え、僕たちは食堂へと案内された。

 僕は何回もステータスを確認しているが特に変化は無く、スキルなしの状態が続いている。


「誠人、飯でも食べて元気出せって!」


「そうだ!わたしがマコトくんにご飯食べさせてあげるよ!」


 そう言って二人は僕の為にご飯を取りに行ってくれる。まともに返事をしてない僕に、いつまでも俯いている僕にここまでしてくれる皆に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。なんで僕は...


『おーっす!何泣いてんだ?坊主!』


 ドカッと隣に座り肩を回して来たのは汚い印象を受ける赤黒い髪の毛を高いところで一つに纏め上げた掴みどころの無い印象を持つ男であった。


『何があった坊主!誰かにいじめられたか?大切な剣を折っちまったか?それとも家に帰れなくて寂しいのか?』


 その言葉に体が少し反応してしまう


『ほぅ?家に帰れなくて寂しいのか!うわ!お前いい年してんのに寂しいのかよ!ハハハッ!』


 指を指されながら笑われて少しイラっとする。

 貴方に僕の何がわかるって言うんだ!


『そう怒んなって、それにしても家に帰れねーだけで寂しいのかよ!ハハハッ!』


「なんなんですか貴方、いきなり人を馬鹿にして!」


『だから怒んなって、俺か?俺はここの...騎士もどき?』


 なんで疑問形なんだこの人...しかも騎士ですら無いのかよ!


『まぁまぁ、な?折角なんだ俺になんか奢ってくれよ、相談くらいなら聞くぜ?』


 本当になんなんだこの人は...人を馬鹿にする乞食とか質が悪すぎる。


「僕はここの人間じゃないので奢ることなんて出来ません、どっか行ってください!」


『まぁまぁ、相談してみろって。坊主は何で寂しいんだよ?帰れねーだけじゃねーか。』


「違う!僕はこの世界に勝手に来させられて魔王だ勇者だ言われて、家族にも会えなくて家にも帰れなくて、学校も心配だし将来の事だって、他にも...」


『ふーん、軽いじゃねーか』


 か、軽い?いや、全部大事な事だ!軽いことなんて一つも...!


『お前マジでかりーよ、お前が今考えた事は全部今直ぐどうにかできる問題じゃない!!!』


「そんなの言われなくたって、、、」


『じゃあなんで今考えんだよ?考えたって無意味だろ、お前バカなんか?』


「そんなの言われても考えるなと言う方が無理でしょ!むしろ考えない方が馬鹿なんじゃないですか!!!」


『じゃあお前は後三年間それだけ考えて過ごすのか?お友達が命張って戦ってるに学校の心配か?』


 僕はその言葉に何も言い返せない。正論だ、


「...」


「あーっ!マコトくんが不良に絡まれてる!」


 その言葉に海が駆けつけて騎士もどきを睨みつける。


「何してるんですか、返答次第では...」


『なんもしてねーよ勇者様、それじゃそろそろお暇としますかね。また会おーぜ坊主、その時までに踏ん切りがついてる事を願うぜ』


 そう言いながら悠斗が運んでいるからあげの山から一つ摘まんで去っていく。


「大丈夫?あいつに何かされなかった?」


「マコトくん大丈夫?どっか痛いところとかある?私が治してあげるからね!」


 あの騎士もどきの言う通りだ、僕だけが今遅れている、みんなの足を引っ張っている。今考えたって仕方がないじゃないか。


「みんなごめん!」


 今は生きる事だけを考えればいいんだ。

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