ステータス確認と勇者
僕たちを前にして大聖堂の大きな扉が開かれていく。
眩い光を浴びながら入っていく海に続けて入る。すると少し奥の方から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「誠人~!!!」
「マコトく~ん!!!」
大聖堂の奥に居たのは悠斗や桜さん怜衣さん、その他にも見知った顔が25人くらい、高校の学友。クラスメイトが居た。
悠斗や桜さん怜衣さんはもしかたら、と思っていたがまさかクラスメイト全員だとは
「こっちだ~!」
「凄いよこれ~!魔法だよ魔法~!」
『しらせく~ん』
『かい~』
僕と海を呼ぶクラスメイト達と、教皇とかが着ていそうな金色の刺繡を施されている白い服を大きく膨らませている太っているおじさんが僕達を待っていたかのように手を広げている。
『お待ちしておりました勇者様方。ささ、こちらへ』
おじさんが鑑定の儀をしてくれるのだろうか、僕と海は顔を見合わせおじさんの所へと歩いていく。
混乱し暗くなっていた気持ちもステータスが分かるとなるとテンションが上がり気分も明るくなる。
「はは、僕ちょっと緊張してるかも」
そう言う海に海を包む空気感が段々変わっていくことに気が付く。
なんだか分かった気がする、その気付きに嬉しいけれど先を考えると何とも言えない。そんな感覚になってしまう。
「海、お前、、、いや何でもない...」
「ん?」
すこしモヤモヤした気持ちになりながら歩いていると教皇っぽいおじさんの元に到着する。
『ワタクシはゴードン・キース・ストーン。このドラロマンナ王国で大司教をしております。時間も押していますので早速鑑定の儀をさせて頂きます。”光の精霊よ、かのもの達に真実の姿をお見せください”』
そう言った瞬間僕と海の手元が光り、アリティアさんがステータスカードを出したときと同じ様にステータスカードが握られていた。
「こちら”ステータスオープン”と唱えましたらステータスカードを出現させステータスを確認することができ、そしてステータスカードを消そうと念じると消失させることができます。」
そう言えばアリティアさんのステータスカードいつの間にか無くなっている事に気が付く。そう言うことだったのか。
そう思い海のステータスカードを覗き見する。
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白瀬 海
種族:人間
Age:17
HP 200/200
MP 180/180
攻撃力 160
防御力 160
精神力 200
素早さ 180
《スキル》
・光魔法
《勇者スキル》
・聖剣召喚
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勇者召喚、やっぱり海が勇者だった、か。海が魔王を倒さないといけない...のか...。やっぱり複雑な感情になってしまう。
そんな僕に気が付いたのか海が気を遣うかのように口を開く
「まことくんのステータスはどうだった?」
そう言われ自分のステータスを確認する
どんなスキルがあるのだろうか、ガチャを引いてるみたいで楽しくなってくる。
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浅葉 誠人
種族:人間
Age:17
HP 100/100
MP 100/100
攻撃力 100
防御力 100
精神力 100
素早さ 100
《スキル》
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僕には、スキルが無かった。