崩壊する日常
「まことくんは何食べる?ピザ二種類頼んでシェアするのってどうかな!」
「マコトくんは何食べたい?わたしはね~...この季節のスパゲッティにしようかな~気になるなら分けてあげる!」
何故僕は美男美女に身体を挟まれて
「誠人くんってそんな感じの人だったのね...もっと誠実な人だと思っていたわ。」
「誠人...今日は何だか...そう、キャラが違うんだな...」
そんな目で見られているんだ...
本当にどうしてこうなったんだ...
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「....................だからね、分かった?海。」
僕が何をしているか、そう。海への説教だ。
海は幼いころから考え無しに突っ込む事が多く、小学生の頃はサッカーボールを追いかけて川に飛び込んだり、中学の頃は誰にも連絡しないで県外まで遊びに行き、帰りのお金が無く帰って来れなくなる等、そんな無茶や外れた行動を見つけ叱るのは僕の仕事となっている。
「ごめんってば、次から気を付けるから許してよ~みんなも待たせてるしね、ねっ!」
僕が海を叱って居る間他の皆は各々用事を済ませて来ることとなった。悠斗はホビーショップで妹へのプレゼント探し、桜さんと怜衣さんは服を見に行った。
「おーい、こっちは終わったぞ~まだやってんのか、大変だな!」
「ただいま~マコトくん!カイくん。お~まだ怒られてる~」
「ただいま戻りました。あなたが怒られてるのを見るのはやはりとても新鮮ね。」
全員が揃い逃げるかのように海が離れていく。
「おかえり!よし、みんな揃ったしご飯でも食べに行かない?」
「お!いいな!ってか俺達昼飯食べに行く途中で白瀬に会ったんだったな!」
そう言えばそうだった、そろそろご飯食べに行くかー、ん?みんなでご飯...?
同じクラスだけど喋ったことの無い二人とのご飯、それがしかもクラスのヒロイン二人組だ。気まず過ぎないか...?
「いきたい!マコトくんとご飯食べに行ったことないよね、いきたい!いいよねレイちゃん!」
「えぇ、行きましょ。それで何処にいくのかしら?」
「俺達はあそこのファミレスに行く予定だったけど、どこ行きたい?」
「ファミレスいいね。みんなそこで良いかな?」
「ファミレスいきたい!レイちゃんは?」
「ファミリーレストラン。行ったこと無いわね、折角だからそこにしましょうか。」
決まってしまった、喋った事の無い人とご飯食べるのってどうすればいいんだろう、、、
「まこともそこで良いよね?」
「う、うん。僕もファミレスがいいな」
ええい!なんとかなれー!
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なんとかはならず、二人からはくっつかれて二人からは冷ややかな目で見られている
「このピザおいしいよまことくん、ほら食べてみて!」
海が口にピザを押し付けてくる、それだけなら良かった
「ん~このパスタおいしい~マコトくんも一口たべてみて!はい、あ~ん」
なんで桜さんは海レベルで距離が近いんだ???し、しかもあーんしてくるなんて...
僕の記憶が正しければ喋ったことすら無かったよね!
「ちょ、ちょっと桜さんあーんはちょっと...」
「え~?なんで~?このパスタとってもおいしいのに~!」
なんで引かないんだこの人、むしろちょっと怖くなって来たよ、、、
「さくらさん、まことは僕のピザ食べるから大丈夫だよ。」
助け舟が来た!海信じてたよ!
「カイくんこそ、マコトくんは私のパスタ食べるから、それ一人で食べてていいよ。」
桜さんはなんで張り合い始めるの???
「なんか凄いわね、こんな二人は見たことないわ...」
「俺も初めて見るな...映画館で誠人寝てたし何かがおかしいだろ!俺が見てる夢か!?」
そんなに外で寝るのが変かな僕!もう凄い事になっちゃった...
「え、まことくん寝てたの?」
そんな聞き返すことかな!でも確かに人生で一度も外で寝たことがないかもしれない。
「う、うん。なんか昨日上手く寝られなくて...さっき映画見てる途中で寝ちゃった」
「あれ、レイちゃんも確かそんな事言ってたよね?昨日変な夢を見たせいで上手く寝れなかったって」
「ええ、でも面白い夢だったわよ?異世界に行くならどんなことをしたいか、って聞かれる夢だったわね。」
「あ、その夢俺も見たぞ?なんか真っ白い部屋でよく分からないものに聞かれる夢!」
あー、あー?なんか覚えがあるよな...でもなんだか靄がかかってるようで思い出せないな...
「...................その夢僕も見たよ」
その時だった、頭の奥でノイズのような音が響きとっさに耳を塞いでしまう。
皆も同じ音を聞いているのか耳を塞いでいる、何かがおかしい!!!
逃げ出しようにも音の発生源が分からないし、ノイズは段々大きくなっていき頭が割れそうに痛い。
「...................っ....!!!」
終いには自分の声が聞こえない程にノイズが大きくなってしまい目の前が段々暗くなってゆく
だれか...たすけっ...
そこで僕の意識は無くなった