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何気ない日常

 異世界、それは剣と魔法とスキルの世界

 森にはゴブリンが居て空にはドラゴンが居る

 魔物を倒すギルドがあり、国を守る騎士が居る

 そして魔王と勇者が居る世界


 転移者は各々チート染みたスキルを貰い新しい世界に目を輝かせるものだ。

 そんな中スキルを貰えなかったらどうなるのか、それは神のみぞ知ることだろう。





 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





『......い、.......きろ~...........ろ.......ぞ~おーい。』


 遠くから声が聞こえる、あれ、僕は何をしてたんだっけ...


『......い、起き........映画......終わ................』


 映画?映画...あ、そうだ。僕は悠斗(ゆうと)と映画に来て...そこからどうしたんだっけ、


『起きろってば!必殺!往復ビンタ!あたたたたたたーっ!!』


 激しい掛け声とは裏腹に優しくぺちぺちと頬を叩かれおぼろげだった意識が覚醒する。

 目を覚ますと中学からの友達である悠斗(ゆうと)が優しい目つきで顔を覗かせていた。


「うぉあ、あれ、えいがは?」


「もう終わっちまったよ、誠人(まこと)が寝てる姿なんて初めて見たぜ。大丈夫か?」


 僕は寝ぼけた頭で大きく伸びをし、意識を完全に覚醒させる。


「ごめん、大丈夫。昨日は上手いこと寝られなくて...せっかくの映画だったのにごめんね...」


「いいよまた来ようぜ!なんなら毎回寝てたってもいいぜ?誠人が寝てる間にポップコーン全部食べれたからな!」


 そう言って自慢げに空になったポップコーンの箱を見せてくる。

 今回のポップコーンは二人がかりでも食べきれない程に山盛りであった筈だ。一人で食べきれるとは到底思えない。おかしいな...


「いやー、全部食べるつもりは無かったんだけどな、気が付いたら無くなってた!」


 悠斗はバスケ部と言うこともあり、引き締まった体をしている。本当にその体に入るのか...?


「え?本当にあの量を一人で食べたの?」


「食べた!美味かった!」


 あの量を一人で食べきれる訳がない...そうだ分かった!


「分かっちゃった。悠斗ポップコーンこぼしちゃったんでしょ!」


「いいや食べた!」


「食べれたの...?」


「食べれた!」


 食べれたらしい





 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





 映画を寝終え、僕たちは他愛もない雑談をしながらファミレスへと向かっている。ちなみに山のポップコーンを食べた悠斗はそこでもお昼ご飯を食べるらしい。


「..............んで妹がさ~!」


 悠斗は重度のシスコンであり、悠斗と話すと六割がたは悠斗(妹)の話になる。聞き飽きてはいるけど、楽しそうなのでついつい僕も楽しくなって話を聞いてしまう。そこが悠斗と長く付き合えてる理由なのだろう。


「お!」


 悠斗が不意に立ち止まり、通り過ぎようとしたホビーショップを見つめている。


「どうしたの?何か欲しい物でもあるの?」


「妹がそろそろ誕生日でさ、ねだってた物に似たものがあったからもしかして、、、って思ってな!」


「そっか、そろそろ誕生日か。僕も何かプレゼントしたいし、ちょっと見て『おーい!まことー!』え?」


 声のした方向を向くと百メートル程先に金髪の美形男子が走ってこちらに向かってきていた。


「ん?あれ白瀬じゃないか?」


『こんにちは、いい天気だね悠斗くん、まことくん!』


 まばたきをした次の瞬間。目の前に居たのは百メートル程離れていた金髪イケメン、白瀬 海(しらせ かい)であった。


「うおっ!」

「海、周りの迷惑になるから全力で走らないようにいつも言ってるよね?」


 海とは幼稚園からの付き合いで、幼いころから運動神経が並外れていたのもあり、目を離したら直ぐ何処かに行ってしまうので僕がよく面倒を見ていた。

 そんな海は高校生になり得意の運動神経を生かしてサッカー部に所属している。海が入部してからまだ不敗を貫いているらしい。イケメンで運動神経抜群とかどんな主人公だよ!ずるい!因みに金髪は地毛である。


「大丈夫!今回は人が居ないの確認してから走ったから!悠斗くんは驚かせちゃったよね、ごめんね。」


「そういうこと...になっちゃうな...まぁいいや、海はどうしてここに?」


「それは『まってー!カイくーん!』お、噂をすればだね。彼女達の付き添いで来ているんだよね!」


 海が来た方向から白いワンピースを着たほんわかとした顔付きの菊池(きくち) (さくら)さんとスタイリッシュなかっこいい服を着てクールな印象を持つ渡辺 怜衣(わたべ れい)さんが走って向かって来ていた。


「もしかして...二人を置いてこっちにきたの...?」


 海は暴走する事が偶にあるけど、まさか一緒に来てる人を置いて一人でやって来る事なんて...


「大丈夫!ちょっと行ってくるね。って一言断りを入れてから来たよ!」


 なら何で二人は海を呼びながら走って来ているんだ...?


「ふぅ、やっと追いついたー、カイくん急に「行ってくる」なんて言って走ってっちゃうからビックリしたよ~」


「はぁ...はぁ...はぁ...あなた...足......速すぎでしょ...」


「白瀬...凄いな...」


 海は犬か何かなのかもしれない

8月は毎日24時に投稿します

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